群馬県赤堀町立赤堀中学校「体罰」自殺事件

群馬県赤堀町(現在は伊勢崎市に編入)の町立赤堀中学校3年だった男子生徒が1989年に自殺し、背景に教師からの「体罰」が指摘された事件。

事実経過

赤堀町立赤堀中学校3年の男子生徒が1989年6月11日、通っている中学校に隣接する小学校の校舎内で首吊り自殺しているところを発見された。生徒の自宅から、生徒指導担当教諭を名指しし「先生に殴られたり蹴られたりするのがつらかった」「口で言えばわかることをどうして殴ったり蹴ったりするのか」など書かれた遺書が発見された。

その後の調べで、名指しされた教諭らが1989年5月23日、この生徒ら複数の生徒に対して「生活態度が悪い」などとして暴行を加えていたことが明らかになった。この教諭は暴行を認めたという。

また別の日には、この教諭から自殺した生徒に対して暴言もあった。教諭は「励ましのつもりだったが、皮肉と受け止められたのなら残念」などと釈明したという。

日常的な「体罰」

この学校では日常的に「体罰」が横行していた。生徒に対して「目つきが悪い」などと言いがかりを付け、教師らが生徒を殴る蹴るなどしたり「何か悪いことをしているだろう」と恫喝しながら詰問するというのは日常茶飯事だったという。

「自分も『体罰』のために自殺を考えていた」「この生徒の自殺事件は起こるべくして起こった」などということを、別の生徒や卒業生らがマスコミ取材に対して明らかにしている。

生徒指導担当の教諭らが他の生徒に「体罰」を加えた際に、自殺した生徒について「学校内でガムを噛んでいた」などのささいな行為が明らかになった。自殺前日、この生徒は「(ささいな行為が)ばれたことで、教師から殺されるかもしれない。一緒に死のう」などと友人ら数人に話していたというが、友人らは自殺の予兆とは見抜けずに冗談だと思って受け流してしまったという。

法務局の対応

前橋地方法務局人権擁護課はこの事件を受けて、法務局がまとめた「体罰」事件の事例集を群馬県内のすべての国立・公立・私立中学校に配布し、「体罰」根絶を徹底させる啓発活動をおこなった。