岐阜県立中津商業高校「体罰」自殺事件

岐阜県中津川市の岐阜県立中津商業高校2年の女子生徒が1985年、所属していた陸上部で、顧問からの執拗な暴力や罵倒を苦にして自殺した事件。

事件概要

岐阜県立中津商業高校の陸上部員だった2年の女子生徒が、顧問教諭・Y(46)からの執拗な暴行や罵倒を苦にして、1985年3月23日に自殺した。

Yは、やり投げの選手だった女子生徒に対し「やり投げの競技成績が悪い」などとして、日常的に素手や竹刀で殴ったり、罵倒するなどの暴力行為を繰り返していた。

岐阜県教育委員会は1985年7月15日、Yを減給処分とした。

民事訴訟

生徒の自殺後、保護者が学校・岐阜県教育委員会と話し合いを進めたが、学校側やYは事件正当化に終始し、遺族側は「誠意も謝罪もない」と感じたという。

生徒の遺族は1985年6月、岐阜県とY個人を相手取って、約5000万円の損害賠償を求めて岐阜地裁に提訴した。

遺族側は「Yによる日常的な暴行があった」「女子生徒の自殺とYの暴行には因果関係がある」「Yは生徒の自殺を予見できた」「部活動は教育の一環でもあり県にも責任の一端がある」と主張した。

Yや県は「体罰」2件については認めたものの、「適切な指導の範囲内で違法ではない」と主張した。また生徒の自殺と「体罰」との間に因果関係はない、部活動は同好会組織的な活動で県の指導監督責任は制約されるという主張もおこなった。

岐阜地裁は1993年9月6日、岐阜県に慰謝料約300万円を支払うよう命じる判決を下した。判決では、「体罰」の事実を認定した上で違法行為だったと結論づけた。また自殺と「体罰」との因果関係も認めた。一方でY個人に対する請求は、国家賠償法の規定を理由に退けた。

その後双方ともに控訴せず、判決が確定した。