横浜市立小学校原発避難いじめ事件

横浜市立小学校に通っていた男子児童が、東日本大震災に伴う福島第一原発事故での避難を理由に激しいいじめに遭っていたことが、2016年11月に大きく報道された事件。この事件の発覚を機に、全国各地で「震災いじめ」「原発避難いじめ」の問題がクローズアップされた。

事件の経過

児童は2011年3月11日の東日本大震災の発災時には福島県に住み、地元の小学校に通っていた。

震災・原発事故から約半年後、当時2年だった児童は福島県から横浜市に避難し、横浜市立小学校に転入した。

転入直後から、名前に「菌」をつけて呼ばれるなどのいじめに遭った。小学校3年だった2012年には一時不登校になった。その後登校できるようになったものの、4年時の2013年には暴力などのいじめに遭った。

5年に進級した2014年、同級生から「(原発事故補償の)賠償金をもらっているだろう」と言いがかりをつけられ、ゲームセンターで遊ぶ金などと称して、約10人の同級生に対し合計150万円を脅し取られる被害に遭った。児童は2014年5月より2度目の不登校となり、小学校卒業まで登校できなくなった。

児童の保護者は2014年5月に学校側に相談したものの、学校側は「重大事態ではない」として対応が遅れた。

6年時の2015年12月に横浜市教委に調査を申し入れ、2016年1月に第三者委員会が開かれた。2016年11月2日付で報告書の答申がまとめられ、公表された。

事件の影響

この事件を機に、原発事故に伴って被災地から他地域に避難している児童生徒に対しての「原発避難いじめ」が、この事案の他にも相当数あることがクローズアップされ、社会問題となった。

「いじめの標的になったのが、たまたま避難で転入してきた児童生徒だった」というよりも、震災や原発事故への忌避感情・差別感情が背景にあってのいじめととらえなければ説明が付かないような事例が、全国的に多数報告された。