埼玉県草加市立中学校「飛び降り強要」いじめ事件

埼玉県草加市立中学校で2012年4月、当時2年生だった男子生徒が同級生からいじめを受けて校舎からの飛び降りを強要されて大けがをし、後遺症が残った問題。訴訟では、加害生徒4人に対して損害賠償を命じる判決が確定した。

事件の経過

この生徒は小学校5年の頃よりいじめを受け、中学校進学に際して、「加害生徒とは同じクラスにしないように」と中学校側に求めていたという。

中学校1年時にはいじめは一旦収まっていたものの、2年に進級した際に加害生徒の一部と同じクラスになり、いじめが再発した。

加害生徒らは被害生徒をトイレに連れ込み、肩や腹を殴るなどしていた。また数日間にわたり、「校舎から飛び降りろ。飛び降りないなら金を出せ」などと脅していた。

2012年4月18日、被害生徒は加害生徒4人から、校舎2階のひさし(高さ約3メートル)からの飛び降りを命じられた。着地の際に、腰椎や頸椎などを圧迫骨折した。事件後しばらく療養生活となって登校できなくなり、運動に制限が出る・PTSDを発症するなどの後遺症も残った。

埼玉県警草加署は2012年7月28日、加害生徒4人を、強要の非行事実で越谷児童相談所草加支所に通告した。

民事訴訟

生徒側は2013年8月5日、加害生徒4人を相手取ってさいたま地裁に民事提訴した。

2017年4月26日の一審さいたま地裁判決では、2人についてのみ計約610万円の賠償責任を認める判決を出した。いじめの事実関係の認定については曖昧にし、強要を明確に認定しないまま、加害者4人のうち2人が「従わない場合は金銭を支払え」と要求していたことで飛び降りざるを得ない状況を作ったとした。一方で残る2人については、飛び降りを認識していなかったとして賠償責任を認めなかった。

2018年3月28日の二審東京地裁判決は、被害の認定範囲を広げる形で一審判決を変更し、4人全員の強要があったとして、4人全員に対し1200万円の賠償責任を認める判決を出した。一審では賠償責任が認められなかった2人についても、飛び降りるよう求める圧力をかけていたと認定した。

二審で逆転判決が出た形になった2人が上告していた。しかし最高裁は2018年10月10日付で上告を棄却し、4人全員の強要を認めた東京高裁判決が確定した。