兵庫県多可町立小学校いじめ自殺事件

兵庫県多可町立小学校5年だった女子児童が2017年、いじめを苦にして自殺した事件。

事件概要

兵庫県多可町立小学校5年の女子児童は2017年5月1日に自宅で自殺を図り、翌5月2日に死亡した。

その後の調査で、この児童が4年の頃からいじめを受けていたことが明らかになった。見張られる・蹴られる・下着を脱がされる・仲間はずれにされるなどのいじめがあったとされる。学校には「いびつな女子グループ」があり、グループの中に加害者にも被害者にもなりうる流動的な層がいて、グループ内で被害者が入れ替わりながらいじめがおこなわれていたとも指摘された。

多可町教育委員会は第三者委員会を設置し、2018年6月に調査報告書をまとめた。いじめを認定したものの、背景に「児童の性格が影響している」などと判断した。

報告書に対して遺族側が「いじめ以外に自死の原因が存在したのか」「いじめの内容を具体的にしてほしい」と訴え、再調査委員会が設置されることになった。

再調査では2019年4月、当初の調査で指摘された「児童の性格が自殺を誘発した」とする判断については否定し、いじめが自殺の最大の要因と結論づけた。

兵庫県教育委員会は2019年10月23日、いじめへの対応が不十分だったとして、2016年当時の校長と2017年当時の校長(いずれも2019年時点では他校校長として異動)をそれぞれ減給10分の1・1ヶ月の懲戒処分とした。

裁判外紛争手続き(ADR)による和解成立

遺族側は2019年9月、裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立て、兵庫県弁護士会紛争解決センターが仲介していた。2020年2月27日、町側が和解金300万円を支払う内容で和解が成立した。

いじめ自殺事件では、裁判外紛争手続き(ADR)を通じた遺族側と自治体の和解事例としては、全国ではじめてとなるという。