東海大学付属福岡高校いじめ自殺事件

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福岡県宗像市の私立東海大学付属福岡高校で2021年3月、当時2年の男子生徒が自殺した事件。上級生によるいじめがあったと指摘されている。

経過

東海大学付属福岡高校に通っていた男子生徒は、入学後に剣道部に入部した。しかし部活動の上級生から、性的暴行を含むいじめを繰り返し受けたとされる。

生徒は1年だった2019年度、室内で部員10人以上の前で、畳の上に身体を粘着テープなどで貼り付けられ、下着を脱がされるなどしてわいせつな行為をされたという。さらにその様子を動画撮影され、SNSで拡散されたともしている。

また同部顧問の男性教諭から、一度退寮した剣道部の生徒寮への再入寮を拒否されたり、大量の課題を課されるなど、不適切な対応を受けたなどともされる。

被害生徒と家族は、部内でのいじめについて訴えたものの、顧問から学校には報告されていなかったともしている。

生徒は2年だった2021年3月10日に自殺した。

第三者委員会

学校は第三者委員会を設置し、事実関係の調査にあたった。2023年9月に報告書がまとまり、2024年2月20日に学校側が記者会見をおこなった。

当該生徒に対する上級生からのいじめ10件を認定した。いじめと自殺と因果関係については、いじめが自殺の一因となったとした一方で、直接的な要因とは断定できなかったとした。

また顧問教諭の不適切指導については、一部を事実だと認定した。一方で、顧問教諭が暴言を吐いたとされることは「確定できなかった」などとした。さらに当該顧問教諭は、調査報告書が公表された2024年2月時点でも通常通り、教諭として授業や部活動などを担当しているが、当該教諭については「2017年度に『体罰』などの不適切指導で出勤停止1ヶ月の処分を受けた経歴があるが、それ以降は通常勤務している。本人は、2017年以降は暴言などは一切していないと話した」とした。

民事訴訟

遺族は、生徒の命日にもあたる2024年3月10日、いじめ加害行為に加担したとされる上級生の元生徒4人を相手取り、損害賠償を求めて福岡地裁に提訴した。賠償額は非公表とした。

2024年5月10日に福岡地裁で第1回口頭弁論がおこなわれた。被告の上級生側は請求棄却を求めて争う方針を示した。

2021年8月4日に和解協議が非公開でおこなわれ、1人と和解が成立した。自殺した生徒への加害行為を謝罪し、慰謝料を支払う内容。

2024年10月21日、別の上級生1人と和解が成立した。下着を脱がして動画撮影し拡散したことを謝罪し慰謝料を支払うなどの内容。

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