鹿児島県知覧町立知覧中学校いじめ自殺事件

鹿児島県知覧町(現・南九州市)の町立知覧中学校3年だった男子生徒が1996年9月18日、加害者の名前を挙げて「いじめられている」と訴えた遺書を残して自殺した事件。

事件の経過

生徒は1996年9月18日、「おれが死ねばいじめはかいけつする」「なぐられたり、けられたり、いろんなことをしてくれた」などと記した遺書を残して自殺した。加害者として、同級生6人の実名を挙げていた。

いじめは生徒が2年の頃から約1年半にわたっておこなわれ、集団暴行や使い走り、恐喝などの行為があったとされる。

遺書では本人だけではなく、別の生徒も暴行や恐喝などのいじめに遭っていたことも記されていた。

刑事処分

警察は1996年10月、同級生6人を書類送検した。鹿児島家裁は1997年3月、4人を保護観察処分、残る2人を不処分とした。

加害生徒の父親が自殺

いじめ加害者として名前が挙がった生徒のうち1人の父親が、事件から12日後の1996年9月30日に自宅で農薬を飲んで服毒自殺を図り、翌10月1日に死亡した。

この生徒の父親はいじめに強い責任を感じていたとみられ、警察の事情聴取にもいじめについて「申し訳ない。すまない」と話し、また男子生徒の自宅を連日訪問して詫びていた。

民事訴訟

自殺した生徒の家族は市民団体の協力も得て、いじめの実態に関する独自調査を実施した。調査でいじめ加害者と判断した生徒5人と知覧町を相手取り、1998年1月に約9200万円の損害賠償を求めて鹿児島地裁に提訴した。

鹿児島地裁は2002年1月28日、町と生徒に対して計4480万円の損害賠償を命じる判決を出した。学校側はいじめ防止の注意義務を怠ったと指摘した一方で、自殺予見可能性は否定した。

双方とも控訴せず、一審判決が確定した。