広島市立五日市観音中学校いじめ自殺事件

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広島市佐伯区の広島市立五日市観音中学校3年だった女子生徒が2017年7月に自殺した事件。背後にいじめが指摘された。

経過

広島市立五日市観音中学校で2017年7月24日朝、3年の女子生徒が校舎そばで倒れているのが発見された。生徒は救急搬送されたが死亡した。

校舎4階に当該生徒のカバンが置かれていたことから、当該生徒は校舎4階から飛び降り自殺を図ったとみられている。生徒は「またいじめが始まった」「これ以上限界」などと書いたメモを残していた。

その後の調査で、この生徒へのいじめがあったことが確認された。

いじめは小学生時代から続いていた。中学校進学後には、悪口を言われる、「死ね」などと暴言を受ける、傘で体をたたかれるなどの行為があったという。

生徒は2年の時、当時の担任教諭にいじめ被害を訴えていた。生徒の死亡後、学校側の調査で7件のいじめを確認した。

学校がいじめと認定した内容以外にもいじめがあったと思われるような証言などもあり、広島市教育委員会は第三者審議会を設置して調査をおこなった。

第三者審議会は2018年12月28日、調査報告書を答申した。この生徒へのいじめがあったことを認定し、いじめが自殺の主な原因となったとした。また学校側の対応についても、組織的な体制の不足や、加害者側への指導に重点を置かれて被害者側へのケアが不十分だったことが指摘された。

訴訟

生徒側は2020年7月22日、広島市を相手取り、「学校側のいじめ対応が不適切だった」として、約5000万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴した。

2020年9月29日に開かれた第1回口頭弁論では、広島市は「認めるべきところは認める」とした一方、「遺族側の主張は、広島市教委として把握している内容と異なる点もある」「広島市の責任の割合や予見可能性の有無など、学校の対応に違法性があったのか、裁判所の判断を仰ぎたい」などとして請求棄却を求めた。

広島地裁で2022年5月16日に和解が成立した。広島市が遺族側に対して解決金(金額非公表)を支払い、市はいじめ再発防止策を講じることなどが盛り込まれた。

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