2010年当時さいたま市立小学校2年だった女子児童が、当時担任だった女性教諭から暴言や暴行などのいじめを受けたとして訴えた訴訟。
経過
加害行為は2010年5月頃から始まったという。教諭はこの児童に対し「くるくるぱー」などと罵声を浴びせたり、児童を馬鹿にするような言動を繰り返した。また教諭は、児童の腕を強く引っぱられて引きずるなどの暴行も加えた。教諭は、職員室などから死角になる位置で、児童を廊下に立たせるなどもした。
教諭のいじめによって児童は夏頃から体調に異変を来たし、自傷行為を繰り返すようになり、病院を受診していた。心因性の難聴も発症した。2010年10月中旬から不登校になり、小学校卒業まで登校できなかった。希死念慮がある状態になっていたという。
児童の保護者は、同級生とその保護者に聴き取りをおこない、教諭の「体罰」やいじめ行為とみられる行為の証言を得た。この女子児童だけでなく、ほかにも標的にされていた児童が数名いた。
児童は2013年11月、さいたま市と元担任・校長・教頭個人を相手取り、約543万円の損害賠償を求めてさいたま地裁に提訴した。
被告側は事実関係を否定して争う方針を示した。
さいたま地裁は和解を提案し、2017年11月までに「不登校のまま卒業した気持ちを理解し、斟酌する」とする内容で和解が成立した。
さいたま市では別の「教師によるいじめ」事件も
さいたま市ではこの事件から2年後の2012年、当時さいたま市立小学校2年だった別の男子児童が、担任教諭からいじめを受けた事件があった。また1992年には、当時の大宮市立小学校で、5年女子児童が担任教諭からいじめを受けた事件があった。