山形県酒田市立第一中学校いじめ自殺事件

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山形県酒田市立第一中学校1年だった女子生徒が2021年2月に校舎から転落死し、この生徒へのいじめがあったと指摘された問題。

経過

山形県酒田市立第一中学校1年だった女子生徒は2021年2月12日午前7時50分頃、中学校の校舎から転落した。病院に搬送されたが死亡した。警察の捜査によると、生徒は校舎から飛び降りたと判断されたという。

その後、この生徒へのいじめがあったことが指摘された。

いじめの内容

生徒は2020年度に同校に入学した。当該生徒は、いじめを受けていたと教員らに訴えていた。

2020年9月から10月にかけて、当該生徒の靴箱に、「死ね」「きもい」などと書かれた紙が数回入れられていたことがあった。またSNSなどで容姿を中傷されるなどもあったとされる。

2020年11月には、いじめアンケートでいじめ被害を訴えていた。

いじめの情報は担任が詳細を聴き取り、校内で情報を共有し、さらには校長にも伝えられたとしている。しかし「次に何かあり、生徒が相談してきたときに家庭に伝える」として、この時点では家庭に連絡していなかったという。

またこのいじめ事件よりも前の2020年7月には、国語の読書感想文の課題で、自殺に関する内容について触れたあるミステリー小説を題材に選び、それと絡める形で「自殺について」と題して、「私も何度も自殺したいと思ったことがある」「私だって死にたい、今すぐにでも死にたい」などと言及していた。国語の教科担当の教員は「大丈夫?」と軽く聞いただけで、それ以上は学校としても情報共有はせず、家族にも連絡していなかった。家族が読書感想文の存在を知ったのは、生徒の死後に遺品が返却されたときだとしている。

さらに、生徒の遺品を整理していた家族は、読書感想文が書かれた時期と前後した2020年7月の日付で、「友達とうまくいっていなくて、自殺したいと考えている」などと記された、小学校時代の担任教員宛の未投函の手紙を見つけた。

これらのことから家族は学校側に連絡し、調査を求めたという。

第三者委員会

この案件について第三者委員会が設置された。

第三者委員会は2022年3月、生徒へのいじめがあったことを認定したが、いじめとの自殺との因果関係については「一定程度ある」としたものの明確に認定しなかった内容の、調査報告書をまとめた。

調査報告書では、げた箱に「死ね」「キモイ」などと書かれた紙を入れられるなどの行為など、5つの行為をいじめと認定した。その一方で、時期やいじめ加害の行為者についてははっきりと認定していないという。

調査報告書は非公表になっていた。その際、教育委員会側から遺族側に対し、調査報告書の内容を他言しない求める念書への署名・押印を求めたという。遺族側はそれを拒否した。

家族側は調査報告書の内容を不服として、再調査を求めた。再調査委員会が設置され、調査がおこなわれた。

その間にマスコミ各社が情報公開請求をおこない、2023年9月から10月にかけて、調査報告書の概要を報道した。

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