長崎県新上五島町立奈良尾中学校いじめ自殺事件

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長崎県新上五島町(五島列島・中通島)の町立奈良尾中学校3年の男子生徒が2014年1月、いじめを苦にして自殺した事件。

経過

長崎県新上五島町立奈良尾中学校3年の男子生徒が2014年1月8日午前、自宅近くのグラウンドで首をつって自殺しているところを発見された。自殺当日は3学期の始業式だった。

この生徒はかねてから、同級生から暴言を受け続けたり、私物の筆箱を机から落とされる、ノートに「消えろ」などと落書きされるなどのいじめを受けていた。

2014年1月8日未明、この生徒は「LINE」に「自殺しようかな」などと書き込んだ。1月8日朝、通学のスクールバス乗り場にこの生徒は現れなかった。「LINE」を見た同級生らは動揺し、「やばいんじゃないか」「もしかして自殺したのでは」「全体責任だよ」「警察に捕まらないかな」などと会話していたという。

町が設置した第三者委員会は2015年1月6日、「過酷ないじめを受け続け、それが原因で自殺した」とする調査報告書をまとめた。暴言や筆箱を落とされたことをいじめと認定した。

民事訴訟

遺族は2016年8月31日、新上五島町と長崎県を相手取り、総額約6300万円の損害賠償を求める民事訴訟を長崎地裁に起こした。

町と県は当初は争う意向を示していたが、2016年12月に一転して責任を認め和解する方針に転じた。生徒がいじめによって自殺したこと・教職員がいじめ防止措置を怠っていたことなどの責任を町が認めて解決金4000万円を支払うことや、再発防止策をとることなどの内容で、2017年9月4日付で長崎地裁で和解が成立した。

新上五島町は2018年1月31日、第三者報告書『いじめ見逃し「ゼロ」をめざしてー第三者調査委員会調査報告書ー』の内容を、個人名などを伏せる措置をとった上でウェブサイト上に開示した。

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