宮城県蔵王高校「黒染め」強要訴訟

スポンサーリンク

宮城県立高校に通っていた生徒が2004年、生まれつき茶色い髪を教師から黒く染めるよう強要され、退学に追い込まれた事件。生徒側が訴訟を起こし、のちに和解が成立した。

事件概要

生まれつきの茶髪を理由とした人権侵害

宮城県蔵王町の宮城県蔵王高校(県立高校)へ2004年度に入学した女子生徒は、生まれつき頭髪が茶色だった。

しかしこの生徒は、頭髪を黒く染めるよう教諭から繰り返し強要された。生徒が髪を黒く染めると、髪が傷んで逆に赤みが増した。それでも教諭はさらに、黒く染めるよう繰り返し強要したという。

2004年11月には、教諭はこの生徒に対して黒色のスプレーを吹き付けた。さらに2004年12月には、髪の色を理由として「進級は無理」などと、この生徒に対して自主退学を迫った。

これらの教諭の行為により、生徒は退学を余儀なくされた。

生徒は2005年4月8日、学校を管理する宮城県を相手取り仙台地裁に提訴した。一方宮城県は、「染色や自主退学の強要はなかった」などとして事実関係を争った。

和解が成立

この事件に関して2006年10月25日、元生徒と宮城県との間の和解が仙台地裁で成立した。

宮城県が「地毛の髪をむりやり黒く染めたことは教育的配慮に欠けた」と教員らの非を認めて元生徒に謝罪し、解決金50万円を支払う内容。また宮城県は、元生徒が自主退学に追い込まれたことについても、遺憾の意を表明した。

同名の他校を巻き込む騒ぎに

宮城県蔵王高校の事件はマスコミで大きく報じられ、社会的にも学校側の行為への批判が高まった。

その一方で、たまたま同名の学校である私立蔵王高校(山形県山形市、現在は山形明正高校に改称)に対して、問題を起こした宮城県蔵王高校と勘違いして、ウェブサイトで公開しているメールを通じた批判や抗議が殺到した。メールの中には、「署名活動で廃校にしてやる」「毛の薄い教員は直しているのか」などという、感情的な内容のものもあったという。

このあおりで私立蔵王高校はウェブサイトを一時閉鎖し、「本校は山形県の私立蔵王高で、一連の報道にあるようなことは一切ない。良識ある行動を」とする緊急告知に差し替える事態に発展した。また、私立蔵王高校に届いた「抗議・批判」メールについては、発信者に対して「無関係」という趣旨の返信や、宮城県蔵王高校への転送などの措置をとった。

タイトルとURLをコピーしました