長崎市立小島中学校生徒自殺事件

長崎市立小島中学校2年だった男子生徒が2004年、担任教諭からの生活指導の直後に校舎から飛び降り自殺した「指導死」事件。

事件の経過

長崎市立小島中学校で2年を担任していた教諭は2004年3月10日、担任クラスの男子生徒が教室でライターを所持し同級生に見せていたことに気づき、その生徒を指導した。

教諭はその際、生徒を教室の清掃用具入れに押し込め、ライターを取り上げた上でたばこを持っていないか問いただした。

生徒がたばこを持っていたことがわかり、教諭は放課後にこの生徒を校内の多目的室に呼び出し、喫煙のきっかけについて問いただし、またほかに喫煙している生徒を知っていれば申し出るよう求めた。

生徒は指導途中の午後5時過ぎ、「トイレに行きたい」と申し出て部屋を飛び出した。その直後に校舎4階の手洗い場から飛び降りて死亡した。

長崎市教委の見解

長崎市教育委員会は事件について、遺族側の問い合わせ・公開質問状に対して「指導の方法や内容が直接的な原因ではない」「担任の指導力が不足しているとは思わない」とする回答をおこなった。

民事訴訟

遺族側は2006年8月22日、「自殺は生徒指導が原因。市は安全管理義務を怠った」として、約9000万円の損害賠償を求め、長崎地裁に提訴した。

長崎地裁は2008年6月30日、遺族側の請求を棄却した。指導と自殺には因果関係があることを認定したものの、自殺は予見困難として市の過失責任は認められないと判断した。

遺族側は控訴を見送り、一審判決が確定した。遺族側は「教師が生徒の心を傷つける不適切なことをおこなっても、気づきさえしなければ安全配慮義務はないと指摘された部分は納得できない」とする一方で、「請求は棄却されたものの、指導と自殺との因果関係が認定されたことで、裁判の一番の目的は勝ち取れた」「指導が自殺の原因と認められたことを教育の場に問いかける活動をおこないたい」とした。