東京都調布市立小学校5年だった女子児童が2012年12月、乳製品アレルギーを持つ児童が誤ってチーズ入りのメニューを食べ、アナフィラキシーショックで死亡した事故。
事故概要
児童は乳製品に強いアレルギー反応を示し、牛乳が体にかかっただけでも症状が出たという。担任教諭はこの事実を把握していた。
保護者と学校栄養士は月ごとに献立表を確認し、この児童が食べられない食材が含まれているメニューに×印をつけた献立表を作成し、月ごとに担任のもとに手渡していた。
2012年12月20日の給食では、チーズ入りのチヂミが出された。この児童向けにはアレルゲン除去食として、チーズ抜きのチヂミが提供され、児童には調理員から除去食が直接手渡された。児童はチーズ抜きのチヂミを食べた。
しかし児童はおかわりを希望した。このクラスではかねてから学級で給食の残菜をゼロにする「給食完食」を目標に掲げていて、事故当日は不人気のメニューだったので、死亡した児童が「目標達成に貢献したい」としておかわりに手を挙げたことが指摘された。
担任教諭はメニューを十分に確認せず、児童に「これ大丈夫か」と声をかけただけで、誤ってチーズ入りのチヂミを渡してしまった。
児童はチーズ入りチヂミを食べた直後にアナフィラキシーショックを発症した。異変に気づいた担任教諭や養護教諭らがその場で対処し、病院に救急搬送されたが、同日夕方に死亡した。
担任教諭は事故に強いショックを受けて体調を崩し、事故直後には一時休職したという。
調布市教育委員会は2013年3月までに調査結果をまとめ、事故の原因は児童がチヂミを食べたことで、担任教諭や栄養士などがメニューを十分に確認しなかったこと・事故直後の対応にも結果的に不備があったことなどの複合要因が状況を悪化させたことなどを指摘し、再発防止を図るとした。