いじめに関与したことで私立中学校を退学させられたことは不当だとして、元生徒と保護者が訴えた訴訟。原告側はいじめに加担した事実は認めていた。
事件の経過
鹿児島県の私立ラ・サール中学校1年生だった男子生徒(福岡市在住)は2007年、同級生2人とともに別の同級生の体を押さえつけて下半身をくすぐるなどのいじめ行為を複数回繰り返した。
学校側はいじめの加害者に自主退学・転校を勧告。3人は自主退学となった。
退学した生徒の1人と保護者は自主退学させられたことを不服として、ラ・サール学園に330万円の損害賠償を求めて福岡地裁に提訴した。生徒側はいじめの事実関係を認めながらも「いじめは軽微」として、「処分は不合理で裁量の範囲を逸脱している」と主張した。
福岡地裁は2010年8月9日、「行為はいじめとして被害者の尊厳を傷つける重大なもの」として学校側の裁量権逸脱はないと結論付け、原告側の請求を棄却する判決を出した。