群馬県北群馬郡榛東村の小学校で1966年、担任教諭が児童に対して「体罰」を加えて大けがをさせた事件。教師には実刑判決が下った。
事故の経過
群馬県北群馬郡榛東村の榛東村立相馬小学校(現校名・榛東村立南小学校)で1966年5月18日、6年生を担任していた男性教諭・U(29)は、担任クラスの児童2人が「掃除をさぼった」として立腹し、2人の首筋をつかんで2人の後頭部をぶつける暴力行為をおこなった。
被害児童の一人は頭蓋骨骨折、もう一人の被害児童は脳挫傷で、それぞれ全治4ヶ月の重傷を負った。
教諭は傷害罪で起訴され、一審前橋地裁は1966年8月に懲役8ヶ月の実刑判決を下した。
教諭は「動機は教育活動だった。事件後に教職を辞職したので再犯のおそれはない。傷害罪ではなく過失傷害罪が適用されるべき」などとして控訴した。二審東京高裁では1968年2月、「教育熱心だったことは認めるが、とった態度は遺憾であり実刑もやむを得ない」として、原判決を破棄した上で、改めて懲役4ヶ月の実刑判決を下した。
日常的な「体罰」
この教諭は問題となった「体罰」事件のほかにも、児童らに対して日常的に「質問に答えられない」「答えを間違えた」などとして竹の棒で殴ったり、頭をぶつけるなどの暴行を加えていた。
教諭は1964年、当時勤務していた群馬県榛東村立桃井小学校(現校名・榛東村立北小学校)で、担任クラスの5年生の児童に「体罰」を加えてけがをさせたとして送検され、起訴猶予処分となっていた経歴もあった。