東京都品川区立中学校いじめ自殺事件

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東京都品川区の区立小中一貫校で、中学校1年(7年)の男子生徒が2012年9月、いじめを苦にして自殺した事件。

事件の経過

当該生徒は2012年、他の区立小学校からこの小中一貫校の中学部に進学した。しかし入学直後よりいじめを受けるようになった。

2012年4月下旬には、生徒の持ち物のペンがなくなる事件が起きた。さらに同年5月には2度にわたり、生徒のシャーペンが教室にばらまかれて壊されるなどもした。

またこの生徒はクラスの大半の生徒から「キモい」などと暴言を受けたり、名前の後ろに「菌」と付けられて呼ばれるなどした。いじめの中心となった数人からは、腹を蹴られる、足をひっかけられて転倒させられるなどの暴力行為もあった。

第三者委員会の調査によると、生徒へのいじめに関与したのは28人だと認定された。

担任教諭はこれらの状況を把握し、生徒からの被害訴えも把握していた。しかし「このくらいは大丈夫」だと決めつけて放置していた。また他の大半の教員も、この生徒は「いじられキャラ」だと扱い、いじめには対応しなかった。

生徒は2012年9月26日、自宅で首つり自殺した。

児童相談所に通告

警視庁は2013年7月12日、いじめに加担した生徒のうち、男子生徒5人を暴行の非行内容で品川児童相談所に通告をおこなった。また別の男子生徒1人についても、品川児相への書類送致とした。

民事訴訟

生徒の両親は2014年4月までに、品川区・東京都・担任教諭・校長と、いじめに加わった元同級生の生徒のうち14人とその保護者を相手取り、約1億円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

東京地裁は和解を勧告し、2019年1月9日付で和解が成立した。▼同級生と品川区が連帯して解決金(金額非公表)を遺族に支払う。▼同級生は自分たちの行為で生徒を傷つけたと認める。▼担任教諭は当時の対応の不十分さを認めて遺憾の意を示す。▼品川区は事件に遺憾の意を示し、再発防止策を誠実に実施する。――などの内容になっている。

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