京都府宇治市立宇治小学校不審者侵入事件

京都府宇治市立宇治小学校で2003年12月、不審者侵入事案があり、児童2人がケガをした事件。

事件の経過

宇治市立宇治小学校で2003年12月18日午後0時半頃、給食の時間中、1年の教室に不審者が教室前方の扉から乱入し、教卓付近の席に座っていた男子児童2人を包丁で斬りつけた。

児童2人は頭などに切り傷を負って病院で治療を受け、全治10日のケガと診断された。

このクラスの担任教諭と補助教員は事件の際、クラスの児童に対して、教室後方の扉から逃げるよう誘導した。補助教員はその際「不審者侵入」と大声で叫んで、職員室に助けを求めた。

その間に不審者は隣の1年生の別のクラスの教室に移動した。このクラスの担任教諭が包丁を持った不審者の腕につかみかかって制止し、駆けつけた教頭と教務主任が後ろから不審者を取り押さえた。

不審者は110番通報で駆けつけた警察官に引き渡され、傷害容疑などで現行犯逮捕された。被疑者は近所在住の45歳男性(以下X)だった。

裁判の経過

警察の取り調べでは、Xが精神疾患で入退院を繰り返していたことや、また言動に支離滅裂な点があったことから、刑事責任能力について慎重に取り調べがおこなわれた。

京都府警宇治署は2003年12月20日、「責任能力はある」と判断し、殺人未遂容疑などに切り替えてXを京都地検に送検した。Xはその後起訴された。

弁護側は、Xは事件当時、統合失調症の悪化による心神喪失または心神耗弱状態だったとして、無罪ないしは著しい減刑を求めた。公判の際にXの精神鑑定がおこなわれ、重度の統合失調症と診断されていた。

京都地裁は2005年8月8日、心神耗弱状態だったが、教育現場で犯行に及んだ影響は大きいとして、懲役3年(求刑懲役10年)の実刑判決を出した。

弁護側は「量刑は重すぎる」、また検察側は「心神耗弱は事実誤認、量刑不当」として、それぞれ控訴した。二審大阪高裁は2006年4月7日、双方の控訴を棄却した。

検察側は最高裁に上告したが、2007年2月5日付で上告棄却の決定を下し、Xの実刑が確定した。