博多高校生徒自殺事件

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福岡市東区の私立博多高校1年だった女子生徒が2020年8月に自殺し、剣道部顧問教諭からの暴力や不適切指導を苦にしていたとされる事件。

経過

女子生徒は2020年4月、博多高校に剣道部の特待生として入学した。しかし入学直後より、顧問教諭から、「練習」と称しての暴行や暴言などを繰り返し受けた。

顧問教諭は、この生徒を竹刀で執拗に突いて地面に倒す、「貴様、やる気あんのか」などと大声で怒鳴るなどした。

生徒は「顧問教諭の指導が苦痛」だと度々相談していた。保護者を通じて別の顧問教諭に被害を訴えたが、対応されなかったとしている。

生徒が、指導を苦にして練習を休みがちになると、顧問教諭は「特待生としての責任だろう」と追い詰めるような言動をとった。

生徒は2022年8月29日、「部活動が死にたい原因」などとSNSに書き込んだのち、福岡県内の鉄道駅で列車に飛び込んで死亡した。

死亡見舞金支給対象と認定される

学校災害の共済金給付業務をおこなう独立行政法人日本スポーツ振興センターは、遺族側の訴えを受けて事案を調査した。同センターは2021年7月、顧問教諭が「生徒の腕にアザが残るほどの暴行をおこなった」ことなどの不適切指導を認定し、指導が自殺の原因になったとして、死亡見舞金給付を決定した。

訴訟外で和解

2022年3月、遺族側は代理人弁護士を通じて、学校側を民事提訴することを検討していると通知した。学校側は「訴訟になる前に和解したい」と申し出た。協議の結果、学校側が顧問教諭の不適切指導を認めて遺族側に謝罪し、和解金を支払い、再発防止策を図るなどの内容で、2022年10月に和解が成立した。

顧問教諭2人は事件後退職した。学校としての教諭への処分については、学校側は「個人情報にあたるので回答を差し控える」とコメントした。

遺族側は、元顧問教諭2人についても話し合いを進めた。元顧問教諭側が不適切な指導を認めて謝罪し解決金を支払うなどの内容で、2023年6月までに訴訟外での和解が成立した。和解の事実関係は、遺族と代理人弁護士が2023年10月に公表した。

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