石川県小松市立芦城中学校で1986年、担任教諭が生徒指導中に「体罰」を加えて生徒を死亡させた事件。
事件経過
石川県小松市立芦城中学校で1986年7月2日、2年生を担任していた数学科担当の男性教諭・S(当時24歳)が、「忘れ物が多い」として担任クラスの男子生徒を校内の宿直室に呼び出して指導した。その際にSは生徒を平手打ちし、さらに足払いをかけて生徒を宿直室の畳の上に倒した。生徒は頭を強打し、3日後に死亡した。
石川県教育委員会は1986年10月24日付で、Sを懲戒免職処分にした。Sは傷害致死罪で逮捕・起訴された。
金沢地裁は1987年8月26日、「事件が社会に与えた影響は大きい」としながらも、一方で「教師としての熱意による」「本人も反省している」と判断して情状酌量をおこない、Sに懲役2年6ヶ月・執行猶予3年(求刑懲役3年)の有罪判決を下した。生徒の遺族とS・小松市との間では和解が成立し、Sは150万円の見舞金を、小松市は約3700万円の損害賠償金を遺族に支払った。