大阪府枚方市立中学校いじめ事件(2020年)

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大阪府枚方市立中学校で2020年から2021年にかけ、女子生徒へのいじめがあり、学校側が不適切対応を繰り返したとされる問題。

経過

女子生徒は同中学校1年だった2020年6月頃から、所属していた部活動で同級生10人から仲間はずれなどのいじめを受けた。2020年8月に顧問教員に相談したが、顧問は対応せず、また情報共有などもせず、そのまま放置していた。

いじめが続いているとして約7ヶ月後に再び相談すると、顧問教員は「この生徒が悪い」と決め付け、生徒に対して加害者部員への謝罪を強要したともされる。担任や管理職にも相談したが、教頭は両親に「この問題は50対50の落としどころをみつけるしか方法がない」などと発言したともされる。

生徒はPTSDを発症し、2年進級後の2021年6月に市外に転校した。

枚方市教委の対応

枚方市教育委員会は2022年12月15日、当該案件を報道発表した。いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定して調査していることを明らかにしている。

一方で、両親側によると、報道発表の内容には「保護者が最初に相談したのは部活動顧問教諭だが、報道発表では担任に相談したことになっていた」などの事実関係の誤りなども含まれていると訴えている。

第三者委員会

枚方市教育委員会は第三者委員会を設置して調査をおこない、2023年3月20日に調査報告書が発表された。女子生徒が日常的に無視され続けていたことや、ミーティングで責められるなどの行為があり、それらの行為がいじめにあたると認定した。また学校側の対応についても、適切ではなかったと指摘した。

生徒側は「市教委の関係者が調査していて、客観性に疑いがある」として、市による再調査を要望した。枚方市は2023年4月25日、市長部局で再調査委員会を設置する方針を明らかにした。

民事訴訟

生徒側は2022年12月21日、学校側が不適切な対応をおこなったとして、約245万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。

枚方市は当初、争う方針を見せていた。しかしその後事実関係の一部を認めて和解の方向に転じた。枚方市が生徒側に約180万円の和解金を支払うなどの内容で、2023年6月13日付で和解が合意した。市議会での関連議案議決などを経て、2023年7月11日付で正式に和解が成立した。

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