仙台市立寺岡小学校いじめ事件

宮城県仙台市泉区の仙台市立寺岡小学校で2018年に発生した、小学校2年の女子児童へのいじめ事案。当該児童と母親はいじめによって体調を崩し、無理心中につながったと指摘されている。

いじめの経過

当該児童は1年だった2018年3月頃から、同学年の女子児童2人から、集団登校の際に置き去りにされる、仲間はずれにされる、ものをとってこいと命令されるなどのいじめを受けるようになった。2年進級後の2018年5月には、この児童から、栽培用のアサガオの支柱で顔をたたかれそうになるなどもした。

2018年5月、児童が母親に被害を訴えていじめが発覚した。直後から保護者は学校側に繰り返し対処を申し入れた。

学校側は「いじめがあった」と認めた上で対応すると表明したものの、状況が好転することはなかった。またその際の対応に不適切なものがあったとも指摘されている。

担任教諭はいじめへの対応の際、保護者との情報共有をせず、児童同士の握手で仲直りさせようと図った。

女子児童は2018年6月頃から腹痛や頭痛などを訴えるようになり、校長室登校の状態になった。児童に対して、校長は教室に戻るよう促した。児童が自分の教室に戻ると、いじめ加害者とされる児童からにらまれるなどもされたという。

2018年8月、いじめについて学校側および加害者側とされる同級生の保護者と話し合いの場が持たれた。その際に両親が、いじめの経過などを記したメモを事前に学校側に渡していたが、そのメモの内容が両親には無断で、加害者側保護者に渡っていたことも明らかになった。

また一部報道では、話し合いの際に加害者側の母親が「いまさら謝れとでもいうのか」などと被害者側を威圧するような対応を取り、話し合いにならなかったと指摘された。

児童はいじめを苦にして、2018年7月頃から「しにたいよ」「いじめられてなにもいいことないよ」などと両親に訴え、その旨を記したメモや絵を残していた。2学期以降、欠席日数も増えたという。

保護者側は、児童が「しにたいよ」などとする手紙を書いた2018年8月下旬、その日のうちに学校側にその旨を連絡し当該の手紙を提出した。しかし学校側は重大事態としては扱わなかった。

保護者は仙台市教委・宮城県教委や文部科学省の相談ダイヤルに相談したが、状況の打開はならなかった。

母親もいじめの心労で体調を悪化させ、病院を受診していた。

児童と母親が死亡

女子児童と母親は2018年11月29日夕方、自宅で死亡しているところを、帰宅した父親に発見された。状況から、母親が無理心中を図ったものとみられている。遺書などはなかったとされる。

父親が記者会見

父親は2019年1月19日に仙台市内で記者会見をおこなった。父親は、「小学校で娘へのいじめがあった」「学校側は表面的な対応しかしなかった」「いじめを苦にしての無理心中だ」と訴えた。

また親子の死亡について「周囲では、母親が子育てに悩んでいたと噂されている」などとして、「加害者と学校には謝罪してもらいたい」「妻と娘の名誉を回復したい」などと訴えた。

父親は2019年1月21日、仙台市教育長に対して、第三者委員会を設置しての調査を要望した。