北海道札幌拓北高校「体罰」訴訟

北海道札幌市北区の北海道札幌拓北高校(現在は北海道札幌英藍高校に統合)で2001年、当時1年だった女子生徒が男性教諭から暴行を受け、その後転校に追い込まれたとして訴えた訴訟。被害者の主張が一部認容された。

経過

北海道札幌市北区の北海道札幌拓北高校1年生だった女子生徒は2001年6月27日、2時限目終了前後に遅刻して登校した。女子生徒は登校後、職員室に遅刻届を出してから自分の教室に荷物を置いた。

3時限目は体育館で学年集会がおこなわれる予定になっていたため、生徒は体育館に移動する直前、休憩時間の間にトイレに行こうとした。その際に男性教諭が突然女子生徒を殴った。

生徒は後頭部が腫れたために保健室を訪れ、アイスノンで後頭部を冷却するなどの手当を受けた。その日は5時限目の体育の授業を見学し、また6時限目には加害教諭が担当する音楽の授業に出席している。

生徒は数日後病院を受診し、頸椎捻挫と診断された。生徒は暴行に精神的ショックを受けてその後登校できなくなり、退学・転校を余儀なくされた。

民事訴訟

生徒と保護者は2002年、北海道などを相手取って約308万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。

加害教諭や北海道は暴行の事実を一部認めたものの、「すでに3時限目の授業時間に入っていたにもかかわらず廊下を歩いていたので声をかけた。しかし無視されたから指導目的で軽くたたいた」として、生徒側の「突然殴られた」という主張を否定した。また暴行の具体的な内容についても「頭頂部を軽くたたいただけ。原告側が主張するようなけがはさせていない」として争った。

札幌地裁は2003年8月21日、原告側の請求を一部認め、北海道は原告に計25万円を支払うよう命じる判決を出した。

判決によると教諭の暴行の事実を認定し、「体罰」と判断している。暴力行為の動機については教諭側の主張を採用したものの、けがの状況については当日の保健室での手当ての際に養護教諭が作成した記録をもとに生徒側の主張を採用した。一方でけがをしてからすぐに病院にかからずに事件翌々日から実施された宿泊学習に参加したことなどを不自然と判断し、賠償額を減額している。

その後二審札幌高裁で2004年6月17日、慰謝料を増額して北海道に40万円の支払いを命じる判決を出した。