いわゆる「体罰」事件や、教師による対生徒暴力事件について、関連する出来事を年表形式でまとめています。
2020年
2020年
2020年1月17日 東京都のお茶の水女子大学附属中学校の教諭が2019年9月、1年生の男子生徒を蹴りつけて骨折させるケガを負わせたとして、警視庁大塚署は同教諭(2019年12月に辞職)を傷害容疑で書類送検。
2020年1月20日 千葉市教育委員会は、「2020年1月8日、1年生の教室で落書きが見つかったとして、同クラスでの授業中、最前列に座っていた生徒にカッターナイフの刃先を向けるなどした」として、花見川区内の市立中学校の男性教諭(29)を同日付で停職6ヶ月の懲戒処分にした。
2020年1月31日 大阪市教育委員会は、「顧問を務めていたハンドボール部で生徒に暴力や威嚇行為を繰り返した」として、市立東我孫子中学校(住吉区)の男性教諭(54)を同日付で停職9ヶ月の懲戒処分にした。当該教諭は2014年度および2017年度にも「体罰」・暴力行為で懲戒処分や行政措置を受けた経歴がある。また管理責任を問い、2018年度校長を戒告処分、2019年度校長を口頭注意処分とした。
2020年1月31日 大阪府教育委員会は、「2019年7月、真夏の炎天下の元で、生徒をプールサイドで正座させやけどを負わせた」として、大阪府立高校教諭(56)を同日付で減給処分とした。
2020年2月3日 「2019年11月、担任クラスの女子生徒を平手打ちするなどしてケガをさせた」として、警視庁は同日、私立駿台学園中学校(東京都北区)で1年担任を務める男性教諭(39)を書類送検した。
2020年2月7日 和歌山県教育委員会は、「2019年4月~12月、担任する6年のクラスで、半数以上の児童に対して常習的に『体罰』を加えていた」として、和歌山市立新南小学校の男性教諭(46)を同日付で停職6ヶ月の懲戒処分にした。
2020年2月20日 兵庫県立飾磨工業高校(姫路市)の多部制柔道部で、顧問教員3人が長時間練習などの不適切指導をおこなったとして、2019年末より顧問が自宅待機となっていることが報じられる。部員が2019年12月に集団家出し、顧問からの「体罰」被害を訴えるなどしたことで発覚。顧問らは長時間練習を認めたものの、「体罰」については生徒側との食い違いがあり調査を継続した。兵庫県教委は2020年3月24日付で、顧問3人のうち男性教諭(55)を停職3ヶ月、男性常勤講師(20代)を減給10分の1・6ヶ月の懲戒処分。男性教諭の長女でもある女性講師(20代)については、非常勤講師のために地方公務員法上の懲戒処分の対象とならないという。
2020年2月27日 大阪市教委は「体罰」・暴力行為で教職員2人の懲戒処分を決定。▼「2019年8月と同11月に2度にわたり、生徒に暴力を加えた」として、中学校教諭(56)を減給1ヶ月。当該者は過去にも「体罰」で処分を受けた前歴あり。▼「2019年10月、児童3人に罰として腕立て伏せやスクワットらを命じた上、棒で太ももなどを叩いた」として、小学校講師(71)を戒告。
2020年3月6日 中京学院大学中京高校(岐阜県瑞浪市)の剣道部で、非常勤職員の30代女性コーチが2020年1月15日、指導中に女子部員を平手打ちする事案があったとして、同年2月上旬より1ヶ月の指導停止処分を受けていたことが明らかになった。
2020年3月17日 東京都世田谷区立中学校で2019年5月、国語担当の男性教諭が1年の男子生徒に「体罰」・暴力行為を加えた上、教諭は後日この生徒について「辞書を使うな」「(ほかの生徒に対して、この生徒と)口を利くな」などいじめまがいの発言をして不登校に追い込んでいたことがわかった。世田谷区教委は「体罰」は確認したものの、暴言は確認していないとしている。
2020年3月30日 大阪市教育委員会は、「2019年7月、実習機器の取り扱いを誤った生徒を指示棒で叩いた」「また2019年11月には、実習機器の取り扱い方を質問してきた生徒を7~8回叩いた」として、市立高校の男性講師(70)を戒告。講師は契約期間満了により3月末で退職。
2020年4月1日 兵庫県教育委員会は、「2019年4月、担任クラスの男子生徒を蹴りつけ打撲傷を負わせた」として、阪神地区の中学校の50代女性教諭を減給処分。同教諭は2019年12月、傷害罪で西宮簡裁から罰金30万円の略式命令を受けた。
2020年4月21日 横浜市教育委員会は、「2019年11月、全身不随の生徒を介助中、手が当たったことなどに立腹して生徒を殴りつけケガを負わせた。また保護者からの問い合わせにも嘘をついて暴行を隠し、管理職にも虚偽報告をした」として、市立北綱島特別支援学校(港北区)の男性教諭(34)を停職6ヶ月の懲戒処分。同教諭は2020年2月26日、傷害罪で罰金20万円の略式命令を受けた。
2020年6月1日 熊本市教育委員会は、市立中学校1年に進学したばかりの男子生徒が2019年4月に自殺した事件について、調査委員会を設置することを決めた。市立小学校6年だった当時、担任教諭から「体罰」や不適切指導を繰り返し受けていたと訴えている。
2020年7月6日 「宮城県登米総合産業高校1年だった2018年当時、運動部の外部コーチ(30代男性)から暴言や暴行を受けPTSDを発症し転校を余儀なくされた」として、被害生徒がコーチに対して約300万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁古川支部に提訴。
2020年7月13日 兵庫県尼崎市教育委員会は、市立学校園での「体罰」の状況を調査した結果を公表。児童生徒からは2013年以降の「体罰」の被害・目撃状況が計1732件寄せられ、うち過去5年間について55件を「体罰」と認定したと公表した。被害に遭った児童生徒は62人・加害者の教師は37人にのぼる。1人で11件の行為を指摘された教師もいた。約800件は「当事者の名前が確認できなかった」として、また約200件については当該教職員の退職などで調査不能とした。残る400件については、聴き取りの結果「体罰」認定を見送った。
2020年8月26日 北海道江別市立小学校で6年を担任する男性教諭(41)が運動会の練習中、男子児童の腕を強く引っぱって転倒させ、鎖骨骨折のケガを負わせる。江別市教委は教諭の行為を「体罰」と認定。
2020年9月5日 「埼玉県桶川市立桶川西中学校1年だった2016年、同級生からトイレの個室に連れ込まれ、脱出したときに担任教諭から『トイレをのぞいた』と誤認されて一方的に叱責され、休み時間の離席禁止や居残り清掃を命じられるなどして体調を崩し不登校に追い込まれた」として元生徒が訴えていた訴訟が、同日までに和解していたことが報じられる。市は不適切指導で精神的苦痛を与えたことを生徒側に謝罪し、和解金60万円を支払うなどの内容。
2020年9月10日 中国・四川省の小学校で同日午前9時頃、5年の算数の授業中「問題が解けなかった」として教師が児童10人の頭を叩くなどする。うち1人の女子児童が直後に体調を崩して病院に搬送され、事件から約6時間半後の同日午後3時半に死亡が確認される。
2020年10月9日 東京都練馬区立小学校の40代女性教諭が2019年9月、組体操の指導中に当時6年の男子児童の脇腹を蹴り上げるなどの暴力を加えたとして、2020年8月に暴行罪で罰金10万円の略式命令が確定していたことが報道される。被害児童は事件後体調を崩し、小児心身症と診断され、不登校状態となった。
2020年10月12日 「2020年9月25日、顧問を務める柔道部で、部の備品をめぐるトラブルに立腹して部員2人を投げ飛ばしたり寝技をかけるなどの暴行を加え、1人に背骨骨折の重傷を負わせた。もう1人の生徒にも首の捻挫の軽傷を負わせた」として、兵庫県警宝塚署は同日付で、宝塚市立長尾中学校教諭(50)を傷害容疑で逮捕。容疑を大筋で認めているという。
2020年11月6日 熊本市教育委員会は同日、「市立小学校で2020年10月17日、運動会の練習中に児童同士がトラブルになったとして、40代男性教諭が一方の男子児童を蹴りつけ、左足太ももの骨を折る大けがを負わせていた」と発表。熊本市教委は2020年12月25日付で、当該教諭を停職6ヶ月の懲戒処分。
2020年11月6日 横浜市教育委員会は同日、「横浜市立小学校で2016年2月、男性教諭が当時6年の児童の胸ぐらをつかんで暴言を吐くなどしたとして、当該教諭は2016年8月に戒告処分を受けた」とされた「体罰」事案について、教諭側からの不服申立を受けた人事委員会が審査し、人事委員会が2020年10月28日付で教諭への戒告処分を取り消していたことを公表した。横浜市教委は「当時の調査が不十分だったという指摘で、当該教諭の行為が『体罰』だという判断は間違っていないと考える」とした。決定から公表までに時間がかかったのは「被害者側への影響を考えた」「処分に伴う教諭の昇給抑制などがあり、処分がない場合との差額の算定が必要だった」などとした。
2020年11月12日 岡山県の私立山陽学園中学校・高校で卓球部顧問を務める男性教諭が少なくとも2019年度から、部活動指導中に部員の頭を殴ったり「バカ」「消えろ」などの暴言を吐くなどの行為を繰り返していたことが同日までに発覚。学校側は同日までに、当該教諭を顧問から外した上で減給処分にした。同校卓球部は全国大会出場などの常連校として知られる。
2020年11月13日 福岡市教育委員会は同日付で、「体罰」で市立学校教諭2人の懲戒処分を発表。▼「部活動の練習中に生徒を平手打ちし胸ぐらをつかんだ」として、市立高校バレーボール部顧問の男性教諭(42)を停職1ヶ月。▼「算数の授業中に5年児童をたたいた」として、市立小学校の男性教諭(27)を戒告。同教諭は以前にも複数の児童に同様の行為を繰り返して注意を受けていたという。
2020年11月16日 岩手県教育委員会は同日付で、「2014年~15年にかけて、顧問を務める陸上部で特定の男子生徒に対して、練習参加を拒否する、陸上部の送迎バスに一人だけ乗せないなど、いじめ・パワハラ・モラハラと受け取れる不適切な言動を繰り返し退部に追い込んだ」として、盛岡教育事務所管内の中学校男性教諭(57)を停職5ヶ月の懲戒処分。
2020年11月18日 「2020年8月19日、川崎市高津区の小学校受験向け学習塾『アビリッズ幼児教室』で、塾生の幼稚園児を逆さづりにするなどして目を内出血させるなど1週間のケガを負わせた」として、神奈川県警高津署は同日、同塾経営者(49)を傷害容疑で逮捕。「指導の一環としてやった」と話したという。
2020年12月7日 仙台市教育委員会は同日付で、「2020年11月、担任クラスで実施したいじめ実態調査で、いじめ被害が『ない』などと児童の回答を書き換えていた」として、仙台市立七北田小学校(泉区)で低学年を担任する男性臨時講師(48)を懲戒免職処分にした。この講師について、2020年6月~9月中旬まで勤務していた宮城野区の市立小学校で、担任クラスの3年男子児童の胸ぐらをつかんだり暴言を吐くなどして不登校に追い込んでいたことや、七北田小学校着任後の2020年9月中旬から程なく「この講師が児童を脅すなど威圧的な言動を繰り返している」と複数の保護者から学校側に苦情があったことなどが指摘された。