いわゆる「体罰」事件や、教師による対生徒暴力事件について、関連する出来事を年表形式でまとめています。
2021年
2021年1月5日 私立藤嶺藤沢高校(神奈川県藤沢市)で2020年9月、硬式野球部の男性監督(47)が1年の男子部員に対し、素手でノックを受けるよう命じて部員の左手にケガをさせた問題で、神奈川県警は同日、監督を傷害容疑で書類送検。「指導の一環だった」と話した。被害者側は「指導ではなく暴力行為だ」と訴えている。
2021年2月2日 神戸市教育委員会は「2020年12月21日、担任を務める3年のクラスで、忘れ物をした男子児童1人を教室内で約3時間半にわたって立たせたままにした『体罰』をおこなった。また同じ日には、別の女子児童1人と男子児童1人にもそれぞれ、約1時間20分にわたって教室内に立たせたままにした」として、神戸市北区内の神戸市立小学校に勤務する男性教諭(25)を同日付で戒告処分にした。
2021年2月10日 私立広島新庄中学校・高校(広島県北広島町)の吹奏楽部顧問教諭が、部員への「体罰」や暴言を繰り返したとして2020年12月より約2週間の謹慎処分になっていたことが、同日までに報じられる。当該教諭は2020年10月、「部活動での持ち物を忘れた」として高校2年の男子部員の足を蹴るなどした。また複数の部員に対して日常的に、「バカ」「本気でやらんと殺すよ」などと暴言を繰り返していた。当該教諭は2018年度にも部員への暴言で処分を受けていたという。ほかにも、女子生徒にマッサージをさせていたことや、部活動合宿中に飲酒していたことなども指摘された。
2021年2月13日 沖縄県立コザ高校2年の男子生徒が2021年1月に自殺し、所属している運動部顧問教諭からの暴言など「厳しい指導」が背景にあったと指摘されていたことが報道される。
2021年2月15日 兵庫県宝塚市立中学校で2020年9月、柔道部の指導中に生徒に暴行を加え重軽傷を負わせたとして傷害罪に問われた元教諭に対し、神戸地裁は執行猶予付の有罪判決。
2021年2月19日 長野県軽井沢町教育委員会は、「町立小学校の男性講師が2020年11月、高学年児童を押し倒し踏みつけるなどして、頭蓋骨骨折・急性硬膜外血腫のケガを負わせていた」と発表。長野県教育委員会は、2021年3月12日付で同講師を停職4ヶ月の懲戒処分。
2021年2月19日 茨城県教育委員会は同日付で「2020年11月、授業中の発問にはっきり答えなかったとして、生徒の髪の毛をつかんで教室外に引きずり出し『なめてんじゃねえ』などと怒鳴りつける行為をおこなった」として、県西部地域の県立高校男性教諭(55)を停職12ヶ月の懲戒処分。生徒にケガはなかったが、加害教諭が過去2度にわたって「体罰」で懲戒処分を受けていることを加味して重い処分とした。
2021年3月6日 鹿児島県の私立樟南高校は、部内の「体罰」・暴力行為で日本学生野球協会から謹慎4ヶ月の処分(同年3月5日付)を受けた野球部副部長について、元プロ野球選手で同校OBでもある職員(38)だと明らかにした。練習指導中に部員にバインダーを投げつける・トレーニング用のロープに登っている生徒の脇腹をたたいて約1メートル下の地面に振り落とすなどの「体罰」の状況も明らかにした。学校としての処分も検討するとしている。
2021年3月8日 岐阜県教育委員会は、「2020年9月、顧問をしていた女子バレーボール部で指導中に女子部員を膝蹴りした」として、男性教諭(48)を減給10分の1の懲戒処分。
2021年3月9日 兵庫県教育委員会は、「2020年12月、授業中に男子生徒と口論となったことに逆上して、教室のストーブを止めて窓を開け放った上、生徒に扇風機の風を当てるなどして約15分間授業を続けた」として、県南部の特別支援学校の男性教諭(61)を減給10分の1の懲戒処分。
2021年3月11日 鹿児島県霧島市の乗馬クラブ指導者が、高校生に平手打ちや腹を蹴るなどの「体罰」を加えていたとして、2021年1月に県乗馬連盟の役職を解任されていたことがわかった。
2021年3月12日 茨城県教育委員会は、「部活動指導中に生徒を突き飛ばすなどの行為を繰り返した」として、県立水海道第二高校の男性教諭(39)を停職1ヶ月の懲戒処分。
2021年3月18日 和歌山県田辺市立小学校で3年を担任する教諭が2021年2月17日、クラスの児童に対して「宿題を忘れた」として1年生の教室に連れて行き、同教室で宿題をさせる指導をおこなっていたことがわかった。田辺市教委は、「年下の子どもたちの中に入れて精神的苦痛を与える指導は懲戒の範囲を超えた行為」と指摘して、教諭の行為を「体罰」だと認定し、2021年3月2日付で教諭に口頭で厳重注意処分。
2021年3月22日 秋田市教委は同日、市立小学校の女性教諭が担任クラスで児童に対して「同級生に暴力を振るうよう煽る」「学級内でクラスの児童に『嫌いな子はいるか』と名指しで答えさせ、名前が挙がった児童を罵倒する」「転校生の児童を教室外に引きずり出し『前の学校の児童は、お前がいなくなって喜んでいるだろう』と罵倒する」など不適切言動を繰り返していたと発表。
2021年3月22日 石川県教育委員会は、「2020年度、生徒指導中に複数回、生徒の頭をげんこつでたたく行為をおこなった」として、金沢地区の県立高校に勤務する男性講師(64)を戒告処分。
2021年3月31日 「長野県内の公立中学校に在籍していた2016~18年当時、剣道部顧問教諭から暴力や差別的な指導を受けた」として、被害生徒と保護者が長野県の第三者機関「子ども支援委員会」に人権救済を申し立てた。暴力や暴言を受けたほか、練習を禁じられて女子部員の技を一方的に受ける役割を強制されたなどと訴えている。
2021年4月9日 大阪市教育委員会は2021年3月の教職員の懲戒処分状況を公表。「体罰」で中学校教諭2人を、いずれも3月31日付で停職処分にしていたことを明らかにした。▼「2019年9月、男子生徒の胸ぐらをつかんで引きずり出し正座させた」として、市立中学校の男性教諭(38)を停職2ヶ月。▼「2020年7~8月頃、顧問を務めるバレーボール部の指導中、『どつきまわすぞ』などと罵倒しながらボールを投げつけるなどした」として、別の市立中学校の男性教諭(30)を停職2ヶ月。
2021年5月14日 三重県立高校で野球部顧問を務める30代男性教諭が2021年3月、「補習のために野球部の練習に参加できない」と申し出た生徒に対し、「土下座するような事だぞ」「首絞めたろか」などと繰り返し暴言を吐いていたことがわかった。三重県教育委員会は同日付で教諭を文書訓告処分。
2021年6月15日 「香川県高松市立中学校に在学中だった2018年、所属していたバスケットボール部で外部コーチから指導と称して後頭部を殴られ、脳に後遺症を負うケガをした」として、元生徒が高松市に約5000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしていたことがわかった。
2021年6月21日 岡山県津山市立津山東中学校の男性教諭が部活動指導中に部員に暴力や暴言などを繰り返していたとされる問題(同年6月発覚)で、当該校の保護者有志が「教諭への寛大な措置」を求める要請をおこなう。
2021年6月25日 埼玉県東松山市立小学校で2年を担任する女性教諭が2021年6月8日、担任クラスの女子児童に対して、腕を強くつかむなどしてケガを負わせていたことがわかった。
2021年7月29日 沖縄県立コザ高校2年の生徒が自殺した問題で、沖縄県教育委員会は同日付で「同生徒が所属する部活動で、生徒に対して不適切な指導を繰り返し自死に追い込んだ」として、顧問教諭(49)を懲戒免職処分にした。
2021年7月29日 沖縄県教育委員会は同日付で「体罰」で教職員2人の懲戒処分を発表。▼「2020年10月、生徒の首をつかんで頭を窓ガラスや壁にぶつけるなどした。また2021年3月には別の生徒に足払いをして転倒させるなどした」として、那覇市立中学校の男性教諭(46)を停職6ヶ月の懲戒処分。当該教諭は2006年にも「体罰」で停職2ヶ月の懲戒処分を受けた処分歴があるという。▼「2021年4~6月、指導と称して複数の児童をつねるなどした」として、浦添市立中学校の男性教諭(42)を戒告処分。
2021年7月29日 山形市立中学校の男子バスケットボール部顧問を務める男性教諭が、部活動で使うビブスを忘れた生徒に対して、「裸で練習しろ」と命じてきていたTシャツを脱がせ、上半身裸で練習に参加させていたことがわかった。
2021年7月31日 熊本市教育委員会は同日付で、「体罰」などで教職員の懲戒処分を決定。▼2021年3月、児童の胸ぐらをつかむなどしたとして、市立小学校の男性教諭(40)を戒告。▼2020年度、担当していた部活で生徒に「使えない」などと人格否定発言を繰り返したとして、市立中学校男性教諭(33)を戒告。▼2021年4月、担任クラスで数人の生徒を叱責した上、涙を浮かべた生徒に「その涙ムカつく」などと罵倒したとして、市立中学校女性教諭(41)を戒告処分。
2021年8月4日 鳥取県教育委員会は同日付で、児童に暴言を吐いたとして鳥取市立小学校の女性教諭(24)を停職1ヶ月の懲戒処分。2021年5月、指導補助を担当していたクラスの授業を担当していた際、複数の児童に対して「なめたらぶっ殺す」「調子に乗ったらぶっ殺す」「なまいき言ったらしばくぞ」などの暴言・恫喝を繰り返した。当該教諭は暴言を否定。
2021年8月23日 岩手県教育委員会は、「2021年4月、指導している運動部の部活動の指導中、生徒に『バカ』『頭悪い』などと発言し、持っていたストップウォッチやボールなどを投げつける威圧的言動をした」として、県北地域の県立高校教諭(30代)を減給1ヶ月の懲戒処分。当該教諭は2021年4月に同校に赴任したばかりで、生徒からの苦情を受けて5月には顧問を外れた。
2021年8月24日 鹿児島県立鹿児島南高校の女子バレーボール部で2021年3月、顧問が部員を平手打ちする事案があったことが発覚。2021年8月になって学校に情報提供があり、調査したところ顧問は平手打ちを認めた。学校側は当該教諭を顧問から外した。
2021年9月1日 富山県教育委員会は同日付で、生徒に不適切指導をおこなったとして、県東部の県立高校の50代男性教諭を戒告、同じ高校の40代女性教諭を厳重書面訓告処分にした。2020年3~6月にかけて、同じ女子生徒に対して暴言や威圧的な発言を伴う「指導」をそれぞれおこなった。当該女子生徒は自律神経失調症を発症して転校に追い込まれた。生徒側が損害賠償請求をおこない、富山県が解決金120万円を支払う内容で富山簡裁で調停が成立した。
2021年9月3日 岡山県の私立岡山学芸館高校の男子バスケットボール部の顧問教諭(50代)が、部員に日常的に平手打ちや「殺してやろうか」などの暴言など、暴力・「体罰」を繰り返していたことがわかった。学校側は、過去にも「体罰」で複数回謹慎や口頭注意などの処分をおこなっていたことを踏まえ、「懲戒解雇相当」だと判断して対応を検討していたものの、教諭は2021年8月末日付で依願退職。
2021年9月21日 兵庫県教育委員会は「少なくとも2018年度以降の3年間にわたり、受け持ちの特別支援学級の児童に対して、『生きる価値なし。早く転校しろ』などと人格を否定する暴言や、指導と称して児童の体をつかんでプールに沈める・床に押し倒すなどの行為を繰り返した」として、姫路市立城陽小学校の男性教諭(39)を懲戒免職処分にした。また学校側が教諭の行為を把握しながら適切な対応を怠ったとして、校長も減給処分。
2021年10月4日 京都府八幡市立中学校に通っていた元男子生徒が、「在学中の2019年、男性教諭から大声で怒鳴られ恫喝されるなどして不登校になった」として八幡市を相手取り訴えていた訴訟で、八幡市が指導の不適切さを認めて約80万円の和解金を支払うなどの内容で京都地裁で和解が成立した。
2021年11月3日 岡山県立岡山操山高校(岡山市中区)の野球部マネージャーだった当時2年の男子生徒が2012年に自殺した事件で、岡山県教育委員会は遺族と面会し、野球部監督だった教員の叱責や「体罰」をともなう不適切指導が生徒の自殺の原因だったとして謝罪した。
2021年11月15日 長崎県教育委員会は同日付で、佐世保市内の県立高校男性教諭(43)を戒告処分。▼顧問を務める野球部で、部員に威圧的な詰問をおこなった。▼担当授業で、授業開始の号令の声が小さかったとして、生徒に腕立て伏せを計150回命じる罰をおこなった。
2021年11月17日 島根県警大田署は同日、「2021年11月11日の昼休み、児童への指導中に足払いをして転倒させ、馬乗りになるなどの暴行を加えてケガをさせた」として、島根県大田市立大田小学校の男性教諭(57)を傷害容疑で逮捕した。被害児童の保護者が被害届を出していた。容疑を認めているという。
2021年11月19日 岡山県立岡山操山高校の野球部マネージャーだった当時2年の男子生徒が2012年7月に顧問教諭からの叱責を苦にして自殺した問題で、岡山県教育委員会は同日付で、当時顧問だった男性教諭(45)を停職3ヶ月の懲戒処分にした。また対応が不十分だったとして、別の顧問教員や教育委員会担当者など7人に厳重注意処分。第三者委員会が2021年3月に顧問教員の行為が自殺につながったと認める報告書を出し、岡山県教育委員会が報告を受け入れて処分を検討していた。
2021年12月15日 「埼玉県川口市立中学校に在学していた2015年当時、いじめが原因で不登校になったのは学校の対応が不適切だったから」として被害生徒と保護者が川口市を相手取って約550万円の損害賠償を求めて訴えていた訴訟で、さいたま地裁は原告側の請求を一部認め川口市に約55万円の賠償を命じる判決。部活動でのいじめがあったとした上で、学校側が重大事態として対応しなかったことと、部活動顧問教師の「体罰」を認定。
2021年12月23日 「勤務先の徳島県美馬市立小学校で2021年12月20日、担任クラスの児童に頭突きをしてケガをさせた」として、徳島県警は同日、男性教諭(52)を傷害容疑で逮捕。