いわゆる「体罰」事件や、教師による対生徒暴力事件について、関連する出来事を年表形式でまとめています。
2023年
2023年1月
2023年1月6日 岐阜県各務原市立小学校で2022年12月、2年の担任教諭が、受け持ちクラスの男子児童が「椅子に座る姿勢が悪い」としてたたくなどしていたことがわかった。
2023年1月24日 大阪府池田市立中学校の男性教諭(55)が2022年9月、生徒指導中に3年男子生徒の頭を殴るなどしたとして、池田市教育委員会は同日付で当該教諭を停職1ヶ月の懲戒処分。
2023年1月26日 神奈川県立市ヶ尾高校(横浜市青葉区)のハンドボール部の顧問だった男性教諭が生徒に対し、「殺してえな」と発言したり、顔をたたくなどしたとして、神奈川県教育委員会は同日付で当該教諭を停職6ヶ月の懲戒処分。
2023年1月31日 常葉大学附属常葉中学校・高等学校(静岡市)の新体操部顧問教諭が、部員に対して人格否定の罵声を浴びせるなどの不適切指導をおこなうパワハラ行為で、2022年12月に学校側から処分を受けていたことがわかった。当該教諭は育休中で、復帰後に顧問を続けさせるかどうかは見極めるとしている。静岡県新体操連盟も、「連盟に対して、当該教諭のパワハラ行為の被害が複数寄せられた」として、調査にあたるとしている。
2023年2月
2023年2月9日 沖縄県立コザ高校2年だった男子生徒が2021年1月に自殺し、背後には所属していた運動部での顧問教諭(懲戒免職)からの不適切指導があったと指摘された問題で、生徒の遺族は同日付で、「部活動の元顧問のパワーハラスメントが原因」だとして、沖縄県に対して約1億3900万円の損害賠償を求め那覇地裁に提訴した。
2022年2月12日 福岡県の西日本短期大学附属高校の女子バレーボール部で、男性監督(60代)と女性コーチ(30代)が部員に対して、精神的に追い詰める暴言・部員同士でビンタさせるよう命じるなどモラハラ行為を繰り返していたことが発覚し、2022年9月に辞職していたことがわかった。監督は同校体育教師を経て、定年退職後は外部コーチの扱いで、約40年にわたり同校女子バレー部を指導していた。女性コーチは同校OGだという。
2023年2月13日 東京工業高等専門学校(東京高専)の男子学生が2020年に自殺していたことが乗じられる。当該学生は学生会長で、コロナ禍のもとでの文化祭運営方針をめぐって学生会の総意として「中止」の方針を出したが、それに異を唱える担当教員から強い圧力をかけられて学校側と対立したことや、教員の行為への被害を訴えると身に覚えのない「過去数年間の学生会の不正会計」を指摘されてさらに圧力をかけられたことなどのハラスメント行為があったと指摘された。
2023年2月14日 山口市内の山口県立高校で2022年11月、3年の調理実習の授業中に授業担当の女性教諭がクラスの生徒全員に向かって「刺すぞ」などと発言していたことがわかった。教諭は「クラスが騒がしかったから」と発言を認めた。発言はこのとき1度のみで常習的な暴言・不適切発言などは確認されなかったことや発言時の状況から、山口県教委は懲戒処分を見送り、教諭に指導をおこなった。
2023年2月16日 担任していた6年のクラスで2022年4月以降、児童に対して「バカなやつらばっかりだ」「俺は嫌だけどお金をもらっているから担任をする」などと暴言を繰り返していたとして、静岡県教育委員会は同日付で、焼津市立豊田小学校の男性教諭(60)を戒告処分。学校側は2023年1月、当該教諭を担任から外したという。
2023年2月27日 「2022年11月、顧問を務めるバレーボール部の指導中、部員の男子生徒の髪の毛をつかんで引きずり、顔面にボールをぶつけるなどした」として、千葉県警は同日、船橋市立船橋高校の男子バレーボール部顧問の男性教諭(60)を暴行容疑で逮捕。
2023年2月27日 熊本市立中学校に進学したばかりの男子生徒が2019年4月に自殺し、背景に小学校6年時の担任だった教諭からの不適切指導があったとされた問題で、不適切指導や別の児童への「体罰」などが認定されて懲戒免職処分を受けた元教諭が、処分を不服として熊本市人事委員会に申し立てた。
2023年2月27日 私立武蔵野高校(東京都北区)2年だった男子生徒が2018年11月に自殺したのは、複数の教員が暴力的に怒鳴る・体調不良の場合でも一度登校させるなどの不適切指導が原因だったと訴えて、遺族側が東京都に再調査を求めて要望した。学校が設置した第三者委員会は、指導が自殺に影響したかどうかについて「可能性は否定できないが、断定することはできない」としたが、調査は不十分だと訴えた。
2023年2月27日 福岡県久留米市立小学校で1年を担任する女性教諭が、「椅子を机の中に入れる決まりを守らなかった」として、児童5人の椅子を取り上げ、立ったまま授業を受けさせる・給食を食べさせるなどの行為を加えていたことがわかった。
2023年3月
2023年3月20日 山梨県甲斐市の私立日本航空高校の男子バレー部監督が、指導中に常習的な「体罰」行為をしていたとして、解任されていたことがわかった。
2023年3月20日 「部活動の指導中に女子生徒に平手打ちを加えてあごが外れるなどのケガを負わせた」として、姫路区検は同日付で、私立姫路女学院高校のソフトボール部顧問だった男性(40)=2022年10月懲戒解雇=に罰金30万円の略式命令。
2023年3月30日 香川県教育委員会は、「体罰」で高松市内の県立高校の女性教諭(36)を停職1ヶ月の懲戒処分。顧問を務める運動部で、少なくとも2021年度から、複数の部員に対して「練習試合中に足を蹴る」「顔面にボールをぶつける」などの暴力行為があったとしている。
2023年4月
2023年4月11日 福岡県大牟田市の私立大牟田高校で、駅伝部監督を務めていた教諭が、部員に対して日常的に暴力を伴う「指導」をしていたことがわかった。教諭は「責任を取る」として退職願を出し受理されたが、部員保護者から指導に携わってほしいという声が大きく、学校側は引き続き非常勤の部活動指導員として指導にあたらせるという。
2023年4月28日 堺市立小学校の男性教諭が、担任クラスで2年の児童に対し「逆さづり」などの行為をしていたことがわかった。
2023年4月28日 北海道倶知安町立小学校で2019年度、「当時の担任教諭から、給食をむりやり食べさせられる、継続的な暴言などの行為があり、不安神経症を発症し、不登校になった」として、両親が事実関係の確認と説明を求めていた問題で、両親側は解決を断念する意向を示した。解決の見通しが立たない上に、この問題で町議会での教育長答弁で中傷を受けて精神的負担が大きくなったとしている。
2023年4月28日 高知県須崎市の私立明徳義塾中学校で、空手部の監督が、2020年~2021年にかけて、部員を平手打ちしたり、連日うさぎ跳びを命じるなどの行為をしていたことがわかった。同監督は、平手打ちについて2023年3月30日に暴行罪で略式起訴され、4月10日付で罰金30万円の略式命令を受けた。
2023年5月
2023年5月15日 岩手県教育委員会は、「2023年2月、体育の授業中、当時3年の男子生徒の頭を叩き、『おまえのことを過大評価していた』『そんなことなら高校も落ちてしまえ、消えろ』などと暴言を吐いた」として、盛岡教育事務所管内の中学校の男性教諭を減給10分の1(3ヶ月)の懲戒処分。当該教諭は過去にも「体罰」で戒告処分を受けた前歴があったという。
2023年5月28日 静岡市教育委員会は、「清水区の市立小学校に勤務する女性教諭(50代)が、担任クラスの低学年児童に対して、日常的に暴言を繰り返していた」と発表。教諭を怖がって登校できない状態になった児童もいるという。当該教諭については2023年4月、粘着テープで児童の両太ももを椅子に数分間固定する不適切な行為をおこなったとして問題になっていた。その後の調査で、児童への「うるせえ」などの暴言も発覚。学校側は担任を交代させるとしている。
2023年6月
2023年6月8日 「2020年11月、勤務校の校内で男子児童を踏みつけるなどの暴行を加えて、頭蓋骨骨折などの重傷を負わせた」として傷害罪に問われていた、長野県軽井沢町立小学校の元講師の男性被告(44)に対し、長野地裁は、懲役2年・執行猶予5年の有罪判決。被告側は「指導の一環」として無罪を主張していて、判決を不服として控訴する方針。
2023年6月21日 私立大阪桐蔭高校(大阪府大東市)で2023年6月8日、英語の授業中、教科担当の教師が、「授業中にガムを噛んでいた」として男子生徒の顔面を殴るなどして、鼻が変形する・歯が欠けるなどのケガを負わせていたと、週刊誌で報じられた。当該教師は授業中にクラスの生徒の前で暴行を加え、「お前が悪い」と吐き捨ててそのまま授業を続けたと指摘されている。学校側は「被害生徒がケガの治療中だったことを知らなかった当該教師の手が生徒の治療箇所にあたり、生徒が鼻血を出したのは事実」だとして暴力事案があったことを認めたとしている。事件のあったクラスは部活動推薦者を集めたコースで、加害教員がラグビー部顧問、被害生徒は野球部員だという。
2023年6月23日 静岡県立静岡西高校の女子バスケットボール顧問だった男性教諭(当時)が部員の首を絞めるなどの暴行を日常的に繰り返していたと認定され、競技団体から指導者資格停止処分を受けた問題を調査していた静岡県教育委員会の第三者委員会は、「部員の顔面めがけてボールを投げつける」「顔を叩く」などの暴力行為を認定し、教諭の行為を「体罰」だと認定した。静岡県教育委員会の調査では、教諭が部員に暴言を吐くなどの不適切指導をおこなったとして訓告処分にしていたものの、暴力行為は確認できなかったと結論づけていた。当該教諭は事件発覚後の2021年に退職し、私立高校に転職したという。第三者委員会は「懲戒処分にすべき事案」と指摘したものの、静岡県教委は「遡及しての処分はできない」としている。
2023年6月29日 「2021年度~22年度、当時勤務していた大阪市立小学校で、児童の頭をたたく、尻を蹴るなどの行為を計14件繰り返した」として、大阪市教育委員会は同日付で、市立小学校の女性教諭(50)=処分時には他校に異動=を停職3ヶ月の懲戒処分にした。また「教諭の行為の被害訴えが複数寄せられ、事実関係を把握したにもかかわらず、市教委への報告を怠っていた」として、管理責任を問い、校長も戒告処分にした。
2023年7月
2023年7月1日 東海大菅生高校(東京都あきる野市)の野球部前監督が2022年8~9月、部活動指導中に「部員の尻を蹴る、バットのグリップエンドで殴る」などの暴行を加えたとして、2023年4月に書類送検されていた問題で、東京地裁立川支部が2023年5月までに不起訴としていたことがわかった。理由は明らかにしていない。当該監督については、当該暴力事件により、日本学生野球協会から4ヶ月の指導禁止処分、学校から監督解任と停職6ヶ月の処分を受けている。当該者は協会・学校の双方の処分期間終了を経たのち、2023年7月までに、野球部顧問として指導に復帰したという。
2023年8月
2023年8月7日 栃木県の私立作新学院高校のボクシング部で、元プロボクサーでもある男性コーチが部員に対して、実践形式の練習「スパーリング」の際、体格差や技術差での優位性を利用するような形で、倒れた生徒を殴りつけたり蹴るなどの不適切な行為を繰り返していたことがわかった。部員が2022年秋に被害を訴え、学校側が注意したが、別の部員からも同様の被害訴えがあったことなどから、学校は2023年5月に当該コーチを解任した。ボクシング関係者からは、「そもそも部員を蹴ることや、倒れた生徒を殴ったりすることは、指導としてありえない」として、当該コーチの行為は「体罰」だと批判されている。
2023年8月25日 愛媛県新居浜市立中学校でALT(外国語指導助手)をつとめていた米国人男性(2023年7月任期満了)が、勤務校での「体罰」を目撃したとして動画撮影していたことがわかった。「朝日新聞」が話を聞き記事にした。
2023年8月25日 私立金沢高校(石川県金沢市)の男子バスケットボール部顧問教諭が、少なくとも2年前の2021年から、部活動指導中に「腹部を蹴る」「ペットボトルを投げつける」「暴言を吐く」などの行為を繰り返していたことが確認されたとして、学校側から顧問を解任されていたことがわかった。
2023年8月25日 堺市教育委員会は、「市立小学校の男性教諭(38)が2023年7月、担任する6年のクラスで、女子児童が数人で自分の悪口を言っていると思い込み、そのうちの一人を連れ出して突き飛ばすなどした」と発表した。当該教諭は2021年度にも、当時勤務していた別の小学校で、児童の尻を蹴るなどの「体罰」で文書訓告処分を受けた前歴がある。
2023年9月
2023年9月1日 私立大阪偕星学園高校(大阪市生野区)の野球部で、監督が部員に対して、平手打ちをして床に押し倒すなどの暴力を加えていたことが、週刊誌で報じられる。週刊誌報道によると、2023年8月下旬に学校に情報提供があり、学校側に調査に対して監督は事実を認めた。すでに野球部での説明や大阪府私学課への報告などを済ませ、当該監督は指導から外れて謹慎措置となっているという。
2023年9月4日 石川県金沢市で、英語教室が運営する民間学童保育で、複数の児童に逆さづり・足で踏みつける・定規でたたくなどの行為をしたとして、元代表が暴行罪で略式起訴されていたことがわかった。
2023年9月4日 東京都小平市立小学校で2017年度、当時2年の担任だった男性教諭が、複数の児童に「給食完食強要」「怒鳴りつける」「罵声を浴びせる」「胸ぐらをつかまれる」など、「体罰」や「教師のいじめ」にあたる不適切行為を繰り返したとして、被害者の保護者が市教委に対して再調査を要望した。教諭の行為によって、複数の被害児童が心身症状を発症したり、不登校になるなどしたという。
2023年9月5日 タイの学校で、体育の授業で使う道具を忘れたとして、担当の体育教師がスクワットジャンプ100回の罰を科し、当該生徒が大けがをしていたことが報じられた。
2023年9月21日 私立九州産業大学附属九州産業高校(福岡県筑紫野市)で2023年9月16日、3年学級担任の男性教諭(31)が進路指導で男子生徒と面談中、生徒の顔を殴るなどし、生徒は弾みで壁に額をぶつけて3針縫うケガを負っていたことがわかった。
2023年10月
2023年10月26日 三重県津市一志町の「一志ジュニアレスリング教室」で2015年、男性指導者が当時6歳の児童に平手打ちをするなどの「体罰」を加え、被害児童は体が吹っ飛ぶなどして失神して救急搬送され、内出血などのケガを負っていたと、週刊誌で報道された。報道によると、同教室は元レスリング五輪代表選手・吉田沙保里氏の実家が経営していて、指導者は吉田氏の実兄だという。被害者側の抗議に対して、指導者は居直り、また指導者の実母が、逆に被害者側に詰め寄ったとも指摘された。
2023年11月
2023年11月2日 福岡県警筑紫野署は同日付で、「2023年9月、校内で進路指導中に、3年男子生徒を殴ってケガをさせた」として、私立九州産業大学附属高校(福岡県筑紫野市)の教諭を傷害容疑で書類送検。
2023年12月
2023年12月7日 福岡県篠栗町立中学校の男性講師が2023年12月5日、男子生徒に暴行を加えていたことがわかった。同教師は「自習中に教室が騒がしかった」として、クラスの生徒に対して「黙るか殴られるかどっちか選べ」と不適切な発言をおこない、それに抗議した男子生徒を殴ったもの。