「体罰」・対生徒暴力事件関連年表(2000~09年)

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いわゆる「体罰」事件や、教師による対生徒暴力事件について、関連する出来事を年表形式でまとめています。

~1979年) – (1980~89年) – (1990~99年) – (2000~09年) – (2010~14年) – (2015~19年) – (2020年) – (2021年) – (2022年) – (2023年) – (2024年

2000年代

2000年

2000年6月3日 沖縄県浦添市立港川中学校で部活動中、バレーボール部員の男子生徒が、バスケットボール部顧問の男性教諭(当時29歳)から突然殴る蹴るの暴行を受け、顔面打撲や前歯損傷などのケガをする。バレーボール部員が練習中、バスケットボール部顧問が「バスケットボール部の練習のために場所を空けてほしい」と依頼、部員は指示に従ったが、顧問は「にらまれた」と勘違いして立腹。

2000年12月4日 熊本県教育委員会は「『写生大会の絵の題材が同じだった』として児童を全裸にする罰を与えたなど、日常的に『体罰』を繰り返した」として、県内の町立小学校の男性教諭を懲戒免職処分。

2001年

2001年1月 広島県立広島北養護学校(現・広島県立広島北特別支援学校)の教諭3人が、重度知的障害を持つ中等部の男子生徒4人に対し、平手打ちやをひざ蹴りなどの暴行を繰り返していたことが発覚。

2001年4月9日 「広島県東広島市立中学校在学中の1994年、教師から殴られて後遺症を負った」として被害生徒が訴えていた訴訟で、広島高裁は被害認定を一審判決より広げ、また一審では認められなかった暴行と後遺症との因果関係についても一部認定し、約380万円の損害賠償を命じる判決。

2001年8月22日 「北海道帯広農業高校に在学していた1996年4月~1993年3月にかけて、複数の教員から繰り返し『体罰』・暴行を受けて精神的苦痛を受け、また足に後遺症を負った」として、被害に遭った卒業生の元生徒が訴えた訴訟で、札幌地裁は訴えを一部認めて北海道に約100万円の損害賠償を命じる判決。教諭の暴行を認定したが後遺症は認定しなかった。

2001年9月5日 「沖縄県立高校1年だった1997年4月、入学直後最初の芸術選択科目で誤った科目の教室に入り、その際に担当教諭から頭突きを受け鼻が曲がるなどの後遺症を負い、また退学を余儀なくされた」として元生徒が訴えた訴訟、那覇地裁は元生徒側の訴えを一部認め沖縄県に約125万円の支払いを命じる判決。

2001年7月5日 「担任する5年のクラスで、特定の女子児童に対して日常的に暴力行為を繰り返しケガをさせた」として、警視庁小岩署が傷害容疑で、江戸川区立北小岩小学校の男性教諭(当時49歳)を逮捕。警視庁はその後「立件するには証拠が十分そろわなかった」として、教諭を処分保留で釈放。この教諭は、児童の保護者から「教室でたばこを吸っていた」と注意されたことを逆恨みし、女子児童へのいじめを繰り返していた。

2001年10月 神戸市立中学校の生徒を対象にした、神戸市民防災総合センターで実施された校外体験学習で、指導していた神戸市消防局所属の消防司令補が、「さぼっていた」などとして生徒2人に暴力。生徒1人がけが。神戸市消防局は同年12月、加害者を戒告処分。

2001年10月18日 「京都市立紫竹しちく小学校3年だった2000年、担任教諭から授業中に座っていた椅子ごと引きずり倒される暴行を受け捻挫などのケガをした」として、被害児童が訴えていた訴訟で、京都地裁は児童側の訴えを一部認め、教諭の行為を「体罰」だとして京都市に7万円を支払うよう命じる判決。暴行とケガとの因果関係は認めず、控訴したが、大阪高裁で2002年3月までに、京都市が慰謝料など10万円を支払う内容での和解が成立。

2002年

2002年1月 戸塚ヨットスクール事件、最高裁で戸塚宏校長やコーチらへの実刑判決確定。

2002年2月 千葉県柏市立柏高校で2001年7月、柔道部顧問2人が「女子部員との交際禁止」などとして男子部員を呼び出し暴行を加えたことが発覚。この事件の調査の中で2000年3月、01年の事件に関与した1人が女子部員の顔を殴り顔面骨折の怪我を負わせ視力低下の後遺症を発症させていたことも発覚。

2002年3月29日 大阪府教育委員会、「2001年11月の社会科の授業中、生徒の発言に激高し、大型地図を教室の壁にかけるための棒を投げつけた。棒は無関係の生徒2人に当たり、2人にケガをさせた」として、堺市立晴美台中学校の男性教諭を減給処分。

2002年6月4日 「大分県大分市の私立楊志館高校に2001年度に剣道特待生として入学したが、剣道部顧問教諭の暴行に疑問を感じて退部した。直後の2001年6月、剣道部顧問で体育の授業担当でもある教諭から授業中に『お前、俺をなめているのか』『半殺しの目に遭わせてもいいのだぞ』などと暴言を吐かれて暴行を受けるなどし、恐怖感から登校できなくなって転校を余儀なくされた」として元生徒が訴えた訴訟で、大分地裁は学校側に約90万円の支払いを命じる判決。

2002年9月 大阪府教育委員会は、「2000年10月、1年生の男子生徒の持っていた風船が自分の近くで破裂したことに立腹してこの生徒を殴った。ほかにも生徒への暴行を繰り返した」として、大阪府立八尾北高校の男性教諭を減給処分。

2003年

2003年1月7日 警視庁竹の塚署は、「2002年12月、給食時間中に児童を殴り顎の骨を折る怪我をさせた」として東京都足立区立東伊興小学校教諭を逮捕(被害者側と示談成立し不起訴処分)。

2003年5月19日 「和歌山県立和歌山北高校の剣道部顧問教諭(31)が2003年3月、部活動指導中に部員を竹刀で数十回尻をたたき、竹刀が折れるとバットを持ち出してさらに尻をたたくなどして、部員1人にでん部筋挫滅症候群皮膚壊死の重傷を負わせた事案や、ほかにも平手打ちなどを常習的に繰り返していた」として、和歌山県教育委員会は同日付で当該者を停職4ヶ月の懲戒処分。当該者は2004年に和歌山地裁で執行猶予付の有罪判決を受けたと報じられた。

2003年8月21日 「北海道札幌拓北高校(現在は北海道札幌英藍高等学校に統合)で2001年6月、音楽科担当の教諭から暴行を受けケガをしその後転校を余儀なくされた」として被害生徒が約308万円の損害賠償を求めて訴えていた訴訟で、札幌地裁は教諭の暴行を「体罰」と認め北海道に賠償金25万円を支払うよう命じる判決。2004年6月17日、二審札幌高裁で賠償金を40万円に増額。

2003年10月 福岡市立小学校教諭が、担任していた4年生のクラスの児童に暴力や暴言を繰り返してPTSDに追い込んだとして、被害児童と保護者が林田個人と福岡市を相手取って福岡地裁に提訴。

2003年12月 「札幌市立高校で体育教諭から授業中に嫌がらせをされた。そのことに抗議すると逆恨みされ、ささいなことに難癖を付けて執拗にいびり倒すなどのいじめ行為を繰り返し受け、不登校に追い込まれた」として被害生徒が訴えていた訴訟で、札幌地裁で和解が成立。教諭個人が34万円、札幌市が26万円の計60万円の和解金を生徒側に支払う内容。

2004年

2004年5月7日 福岡県の私立柳川高校で放課後の課外授業中、男性教諭が1年女子生徒の頭を殴り脳内出血を発症させる。被害生徒は重体。学校から病院に搬送したものの、事件については当初隠蔽していた。

2004年5月 愛知県稲沢市立小学校で、4年生の男子児童が担任教諭(当時58歳)から「忘れ物をした同級生をたたけ」と強要される。児童はショックで不登校になった。

2004年5月 東京都小金井市立小学校で1976年に発生した「体罰」事件に関して、成人になった被害者が、事故当時保留していた示談交渉の調停を申し立てていた問題で、武蔵野簡裁は小金井市に和解金を支払うよう求める決定。小金井市は「時効を越えているが道義的責任がある」として請求を受諾。

2004年6月 長野県岡谷工業高校のバレーボール部監督が、風邪で高熱を出して安静が必要とされた部員の生徒を部員寮に連れ戻して練習参加を強要し、当該部員は症状が悪化して一時意識不明に陥っていたことが判明。当該監督は停職6ヶ月の懲戒処分。監督は依願退職後創造学園高校のバレーボール部監督となったが、2018年に同校でも「体罰」事件を起こしたことが発覚。

2004年6月22日 広島県立大和高校で保健体育科を担当する男性教諭(当時60歳)が、授業中に生徒とトラブルになり、生徒に包丁を突きつける。広島県教委は2004年8月、教諭を停職6ヶ月の懲戒処分。

2004年7月2日 愛知県一宮市立小学校で水泳の授業中、4年担任の教諭がプールサイドからプール内にいた児童を跳び蹴りし水中に沈めるなどの暴力行為。児童の一人がゴーグルの部品をプール内に落とし、数人の児童が探すのを手伝っていたが、プールから上がらない・指示を聞かないと思い込んだ教諭が立腹したもの。教諭は依願退職。

2004年7月 大阪府立河南高校非常勤講師が2000年10月、「授業中に携帯電話を操作した」として生徒を殴り打撲症や捻挫などのケガを負い後遺症も残ったとして被害者の元生徒が訴えていた訴訟で「講師が謝罪して、見舞金100万円を生徒側に支払う」という内容で、大阪地裁で和解成立。

2004年9月3日 東京都板橋区の剣道団体「常盤台剣友会」で2004年8月の合宿中、指導者3人が小学生に対し竹刀でたたくなどの行為を執拗に繰り返し、両腕が腫れ上がる・頭にこぶをつくる・尻にあざができるなど全身にけがをし、またPTSDも発症したとして、被害児童の保護者が警察に被害届を出す。

2004年10月19日 「和歌山県立和歌山北高校の剣道部顧問だった2003年3月、部員を竹刀や木製バットで殴り重傷を負わせた」として起訴された同校教諭(2003年5月に停職4ヶ月の懲戒処分)に対し、和歌山地裁は生徒への暴行の事実を認め、また違法な「体罰」だとして、懲役1年6月・執行猶予3年の有罪判決。なお、当該者と同姓同名で年齢も一致し、同校教諭の経歴があり、剣道有段者と名乗る人物が2011年に和歌山市議に当選し、その後2023年には維新から和歌山県議に当選している。

2005年

2005年5月17日 北九州市立中学校で「顧問を務めていた卓球部で生徒に激しい暴行や暴言を繰り返し、自律神経失調症や不登校に追い込んだ」として2003年に懲戒免職になった教諭が、停職6ヶ月に処分軽減の上で2005年4月から何の研修措置も受けずに復職していたことが報じられる。

2005年8月3日 神戸市立御影中学校の柔道部で、合宿中に体調不良を訴えた生徒に対し顧問の臨時講師らは適切な対応を怠った上「さぼっている」「気合いが入っていない」などとして「体罰」を加えるなどした。生徒はその直後、熱中症で死亡。

2005年8月5日 「約7年間にわたり、担任クラスの児童らに対して日常的に、給食を手で受けて食べさせる行為や『体罰』を少なくとも11件繰り返した」として、鳥取県弁護士会が同県湯梨浜町立東郷小学校の女性教諭に、人権侵害として警告書を送付。

2005年8月22日 北海道の私立駒大苫小牧高校で、野球部長が部員に対して暴行を加えていたと、学校側が明らかにした。同校野球部は直前の甲子園大会で優勝したばかり。

2005年11月4日 横浜市立矢向中学校で社会科を担当する男性教諭が、3年男子生徒の服をつかみ体を壁にぶつけるなどしてケガを負わせていたことがわかった。横浜市教委が記者会見して発表。当該教諭は以前から、被害生徒へのいじめとも受け取れるような行為を繰り返していたことも指摘された。

2005年12月8日 「北海道札幌市の私立北海道尚志学園高校で2003年9月、卓球部からの退部を申し出たところ、顧問教諭から暴行を受け、心身症を発症した」として元生徒が訴えた訴訟で、札幌地裁は教諭の暴行と心身症との因果関係を認め、学校法人と教諭に80万円の損害賠償を命じる判決。

2006年

2006年1月26日 長崎市立片淵中学校で保健体育科を担当する男性教諭(当時43歳)が3年男子生徒を殴りケガを負わせる。生徒は不登校状態になった。2006年5月に書類送検され、同年6月30日付で起訴猶予処分。当該教諭は2006年6月16日にも別の生徒に暴行を加える事件を起こした。長崎県教委は2006年11月22日、2件の暴行をあわせて教諭を戒告処分。

2006年3月16日 北九州市立青葉小学校5年生の男子児童が、担任の女性教諭から「体罰」を受けた直後に自殺。

2006年4月29日 戸塚ヨットスクール校長・戸塚宏、刑期満了で刑務所から出所。

2006年6月5日 「2006年5月、修学旅行先の大分県杵築市の宿舎内で、生徒1人を殴ってケガをさせた」として、大阪府警西成署は、大阪市立玉出中学校の英語科担当の男性教諭を傷害容疑で書類送検。

2006年8月 「千葉県柏市立柏高校の柔道部員だった2000年3月、柔道部顧問教諭から殴られ顔面骨折のケガを負い、視力低下などの後遺症が残った」として、被害者が柏市と顧問教諭を訴えた民事訴訟で、柏市と顧問教諭が連帯して200万円の損害賠償を被害者側に支払う内容で和解がまとまった。なお、加害者の顧問教諭は2004年に宮崎県教委の特別採用試験に合格して宮崎県立高校に移ったが、異動先でも柔道部指導中に「体罰」・暴力や暴言を繰り返したとして2013年3月に宮崎県教委から懲戒免職処分を受けた。

2006年8月11日 兵庫県西宮市立高校でコーラス部顧問を務めていた男性教諭が、生徒へのセクハラ・モラハラと受け取れる不適切指導で2004年に懲戒免職になったが、教諭側の不服申立を受けて西宮市人事委員会が2006年2月、事実認定はそのまま認めた上で懲戒免職は重すぎるとして「停職6ヶ月への変更」とする裁定をおこなった問題で、西宮市教委は再審請求を断念、教諭への処分変更が確定。

2006年8月24日 埼玉県教育委員会、「部活指導中に日常的に暴力行為を繰り返していた」として、埼玉県立高校のバレーボール部顧問教諭を停職6ヶ月の懲戒処分。

2006年8月25日 「2006年6月、授業中に居眠りをしていたとして生徒の頭を殴った」などとして、茨城県教育委員会は同日付で、茨城県立茨城東高校で国語科を担当する男性教諭を減給処分の上5日間の研修措置。当該教諭はその後茨城県立土浦湖北高校に異動したが、異動先でも2010年6月、顧問を務めるバレーボール部で暴力行為をおこなったとして停職12ヶ月の懲戒処分を受け依願退職。

2006年9月 福岡市立平尾中学校で、げんこつやスクワット強要などの「体罰」行為が横行しているとして、保護者らが福岡県弁護士会に人権救済申立。教諭3人による加害行為が確認され、福岡県弁護士会が2007年3月に学校と福岡市教育委員会に警告。

2006年10月13日 兵庫県尼崎市立中学校のバレーボール部顧問教諭が2006年3月、練習と称して生徒の顔面に至近距離からボールを繰り返しぶつけ、脳内出血で8週間入院させるケガを負わせていたことが発覚。兵庫県教委は同日付で教諭を停職1ヶ月の懲戒処分。

2006年10月20日 岩手県一関市立中学校で2005年~06年、野球部顧問が特定の生徒に対して暴言を繰り返すなどの「指導」をおこない当該生徒に精神的な症状を発症させ、市教委が2006年8月、「生徒へのいじめと受け取れる」として当該教諭を文書訓告処分にしていたことが判明。

2006年10月24日 鹿児島県の私立神村学園高等部の硬式野球部で、監督が部員に暴行を繰り返していたことが発覚。その後コーチの暴力も発覚。監督は謹慎処分ののちに復帰したものの、復帰直後の2008年1月に再び暴力事件を起こして2008年3月に辞職。

2006年12月 東京都千代田区立小学校の6年のクラスで、担任教諭が欠勤のために代理で授業を担当していた女性教諭が、女子児童を執拗に殴りつけてケガを負わせた。被害児童が警察に被害届を出す。教諭は書類送検された一方、女子児童が抵抗した際に加害教諭にもケガを負わせたと判断され、女子児童の行為を正当防衛とは認めずに児相通告措置。

2007年

2007年1月15日 奈良県教委は同日付で「2006年11月、児童に暴力を加えてケガをさせた」として、三郷町立三郷北小学校校長を戒告処分。事件前日、この児童が給食時間中に遊んでいたとしてその場で担任が注意していた。この事件について担任から報告を受けた校長は、翌日の校門指導の際に登校中のこの児童を見つけ「前日のことを指導する」として引きずるなどした。

2007年2月 文部科学省、「体罰」範囲の見直し通知を出す。水戸五中事件判決などを根拠に軽くたたくなどは「体罰」に含めないという時代逆行の見解。

2007年3月 福井市立中学校で2000年9月、網膜剥離を起こしやすい先天性疾患を持ちかねてから学校生活上の配慮を申し入れていた当時1年の男子生徒が、担任教諭から殴られ眼球出血を発症し失明に追い込まれた事件の民事訴訟で、福井地裁は教諭の暴行を故意と認定し福井市に約7700万円の損害賠償を命じる判決を出す。福井市や当該教諭は「誤って目に当たった」「失明は疾患が原因」と主張したが、判決を受けて福井市は控訴を断念し、賠償金相当額のうち約2200万円を教諭に求償。

2007年3月 福岡県弁護士会、学校で「体罰」が容認されて放置されているとして、福岡市立平尾中学校(中央区)と福岡市教委に警告。いずれも「忘れ物をした」として、社会科教師はげんこつを加える、数学教師は腹筋30回を強要、体育教師はスクワット300回を強要、などの行為が確認された。保護者が2006年に学校に相談したが相手にされず、弁護士会に人権救済申立をおこなっていた。

2007年3月 福岡県大野城市立大利中学校の男性教諭が、自分が顧問をしている部活動で、退部したいと申し出た生徒に対して逆上して暴力をふるった上、床に押し倒して「切り刻んでやる」などと暴言を吐いたとして、同日までに文書訓告処分を受けた。

2007年7月2日 「顧問を務めている柔道部で2004年12月、当時3年生の男子生徒を執拗に投げ飛ばすなどして急性硬膜下血腫と脳挫傷などの重傷を負わせた」などとして、神奈川県警は、横浜市立奈良中学校(横浜市青葉区)の保健体育科教諭で柔道部顧問教諭(28)を傷害容疑で書類送検。

2007年7月24日 北海道札幌聾学校の教諭が児童を注意した際、注意が手話ではなかったことから、聴覚障害のために教諭の注意を理解できなかったにもかかわらず「言うことを聞かなかった」として蹴りつける。折しも別の「体罰」事件の相談のために来校していた保護者が一部始終を目撃していた。

2007年9月13日 大阪市立田辺中学校で2005年、サッカー部顧問教諭が部活動指導中「プレッシャーを克服する」と称して「PKに失敗したら全裸ランニング」と命じ、失敗した生徒に実際に全裸ランニングを強要した(2007年6月発覚)として、当該者を停職2ヶ月の懲戒処分。

2007年9月 京都市立洛陽工業高校でバレーボール部顧問を務める男性教諭が、部活動や担当の保健体育科の授業で暴力行為を繰り返していたことが発覚。京都市教育委員会は3度にわたって同教諭に厳重注意処分をおこないながら、2005年度に指導力が卓越した教員「スーパーティーチャー」に認定していた。

2007年9月 私立神村学園高等部(鹿児島県いちき串木野市)で男子サッカー部部長を務めていた教諭(28)が、部員の生徒に暴力を加えたとして謹慎処分を受け、その後依願退職していたことが同日までに発覚。教諭は▼部員に「チームの雰囲気が悪いのはお前のせい」などと難癖を付け、「帰れ」「サッカーができない体にしてやる」と罵声を浴びせながらこの部員の足を数十回蹴りつけ、内出血のけがを負わせた。▼同じ部員に対して、チームの遠征で福岡にいたときに、「ホワイトボードのペンを忘れた」として、練習着のまま福岡から鹿児島の学校までペンを取りに行くよう命じる。といった行為が指摘された。

2007年10月 茨城県立高校で、部活動での生徒暴行事件が相次いで発覚。▼「2007年7月の部活動合宿で、未成年を含む部活動OBらと飲酒して騒ぎ花火を生徒に向けて発射するなどの危険行為をした顧問教諭に対して生徒らが抗議したことに逆上し、『教師に口答えするな』と言いがかりを付けて生徒13人を正座させて顔面を蹴りつけるなどの暴行を加え1人に重傷を負わせた。さらに生徒に対して、暴行隠蔽の口裏合わせも強要した」として、茨城県教委は暴行を加え口裏合わせを主導した顧問教諭Aを停職12ヶ月。また口裏合わせに加担した顧問教諭Bを戒告。いずれも2007年10月26日付。▼別の部活動でも2007年3月、「練習試合で成績不振だった生徒に対して、腰を蹴りつけて打撲傷を負わせた。被害生徒は不登校や転学に追い込まれた」事件も発覚。茨城県教育委員会は文書訓告処分で済ませていたが、7月の事件に関連して報道される。

2007年11月 公立学校での「体罰」発生報告書など関連資料の開示を求めた際、兵庫県教委が「教職員のプライバシー」などを理由として加害教師の氏名や所属学校名など大半を非開示にした決定をめぐり、開示請求者の馬場健一・神戸大学教授が非開示処分の取り消しを求めて訴えた訴訟で、最高裁第一小法廷は県の上告を退ける。加害教師の氏名や学校名などの開示を命じた二審大阪高裁判決が確定。

2007年12月14日 「横浜市立奈良中学校3年だった2004年12月、柔道部顧問教諭から『指導』を装って投げ飛ばされるなどの暴行を受け、急性硬膜下血腫と脳挫傷などの重傷を負い、また高次脳機能障害などの後遺症が残った」として、当時柔道部員だった元生徒と保護者が横浜市教育委員会と加害教諭を相手取り民事提訴。被害者側によると、顧問教諭が高校の柔道推薦進学を持ちかけたが被害生徒が辞退したことで逆恨みされたのではないかとしている。

2007年12月 兵庫県教委は同日までに「自らの仲介した大学推薦入学を生徒に断られたことに立腹して、2007年8月にこの生徒を正座させた上殴る蹴るなどし、国体参加を辞退するよう恫喝した」として、兵庫県立北条高校のウェートリフティング顧問の男性教諭(34)を減給処分。

2008年

2008年1月8日 横浜市立山田(やまた)小学校の5年生のクラスで、クラス担任の女性講師(54)が「校内の畑で観察の授業をおこなおうとした際、一部の児童が集合に遅れた」として、直接遅れたわけではない児童も含めて「連帯責任」としてクラスの児童38人全員を平手打ち。当該講師は担任の産休に伴い、前日からクラス担任を引き継いだばかりだった。

2008年5月13日 兵庫県教育委員会は「尼崎市立日新中学校で2008年1月31日、顧問を務めていた野球部員の生徒2人を殴ってうち1人に鼓膜損傷のけがをさせ、さらに押し倒して腹を蹴るなどしたうえグラウンドを走らせるなどした」として、男性教諭(27)=2008年4月に尼崎市立園田東中学校に異動=を停職6ヶ月の懲戒処分。

2008年5月19日 北海道釧路市立鶴野小学校で1年生を担任する男性教諭(43)が、担任クラスの男子児童に対して殴る蹴るなどした上、「うそつき」などと書いた貼り紙を児童の胸に貼り付ける。

2008年5月20日 「大阪市立中学校剣道部顧問だった教諭(在任1996年-2004年)から部活動指導と称して暴力やわいせつ行為を受けた」として被害者が大阪市と当時の顧問教諭を訴えていた訴訟で、大阪地裁が被害を全面的に認定し、大阪市に賠償命令。大阪市は控訴せず同年6月に判決が確定し、同年6月27日付で元顧問教諭を懲戒免職。

2008年6月 大阪府八尾市立中学校で生徒に暴行を加えたとして当該生徒から抗議を受けた教諭が、抗議に逆上し、「こんなことをしていいと思っているのか。えらい目にあわせたる」などと叫びながらさらに生徒の首を絞めるなどの暴力行為を重ねたと報じられる。

2008年6月18日 東国原英夫・宮崎県知事は、記者団の質問に対して「愛のムチなら殴っても罰せられないような条例などはできないものか」などと答え、子どもへの「体罰」を容認する見解を示した。

2008年6月25日 「2007年11月、6年の学年での学芸会練習中や当日、練習態度が気に入らないとして正座させたり怒鳴りつけるなどし、児童4人を不登校に追い込んだ」として、札幌市教育委員会が札幌市立北九条小学校の教諭3人を減給や戒告の懲戒処分。

2008年7月3日 愛媛県宇和島市立中学校で2年の学年副主任を務める男性教諭(41)が、「生徒が学年集会に遅刻した」として、3クラス83人を正座させてげんこつで殴る。

2008年7月4日 「香川県高松市立屋島中学校1年だった2006年、保健体育科担当で学級担任でもあった男性教諭から授業中に繰り返し暴行を受け急性ストレス反応を発症した」として、被害生徒が提訴。

2008年8月5日 兵庫県教育委員会は同日付で、姫路市立花田小学校の男性教諭(31)を停職3ヶ月の懲戒処分。▼2008年5月30日、担任クラスの4年の女子児童に対して、「給食でカレーを残した。指導に従わなかった」として殴りつけたり荷物を教室の外から放り出すなどし、約1時間半にわたって罵倒した。▼翌日以降もこの児童を監視するような言動を繰り返し、精神的な症状を発症させて不登校・転校に追い込んだ。――などの行為が問題となった。

2008年9月10日 智弁和歌山高校(和歌山県)の監督が、他校との練習試合中、「プレーの内容に不満があった」として部員を蹴りつけるなどの暴力行為をおこなっていたことが発覚。同校は甲子園大会の常連で、同監督は全国区の指導者として知られている。

2008年11月12日 神奈川県立湘南高校定時制で非常勤技能員が1年生の男子生徒に暴行を加えた問題(2007年6月発生)で、傷害罪に問われた技能員に対し、横浜地裁が無罪判決を下す。

2008年11月25日 福岡市立小学校教諭が児童に執拗ないじめを繰り返してPTSDにさせたとして被害児童と両親が訴えていた問題で、福岡高裁は一審に引き続き、林田の暴行やいじめ行為を一部認定し、また「林田のいじめ行為で心因性症状を発症した」と認定して賠償額を増額する判決。原告・被告とも上告せず、同年12月10日付で判決確定。

2009年

2009年3月2日 鹿児島県議会で「県内の公立中学校で、ある女性教諭が生徒への『体罰』・暴力行為を繰り返したとして口頭注意処分を受けたものの、その後教頭に昇進した。教頭として赴任した学校でも女子生徒に暴言を吐いて不登校に追い込んだ」とする議会質問がおこなわれる。議会質問では事件のあった学校名や地域名は伏せられていたが、その後のマスコミ取材や被害者からの告発で、薩摩川内市の中学校と判明。当該教頭は2009年4月、教頭職を外れて学校以外の教育委員会所管施設に異動。

2009年4月28日 熊本県本渡市(現・天草市)の小学校で2002年、教員から胸ぐらをつかまれるなどしてPTSDを発症したなどとして被害児童と保護者らが損害賠償を求めて訴えていた訴訟で、最高裁は教員の行為を「教育の範囲」として児童側の請求を棄却。

2009年8月28日 「2009年4月、生徒に暴力を加えて一時意識不明に陥らせる重傷を負わせた」として、大分県教育委員会は大分県立三重総合高校の男性教諭(当時29歳)を停職6ヶ月の懲戒処分。

2009年10月23日 福島県郡山市立行健中学校で発生した「体罰」事件の賠償金をめぐり、賠償金を支払った福島県が郡山市に対し、県から被害者に支払った賠償金相当額全額の補償を求めていた問題で、最高裁は福島県の訴えを認める二審判決を支持して郡山市の上告を棄却。市が賠償金相当額を全額負担する判決が確定した。

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